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政府は30日、破たん金融機関の預金の払戻保証額を限定するペイオフの来年4月の全面解禁に向けた金融安定化策として、中小企業や個人向けに利子の付かない新型預金を新たに導入し、全額を保護する特例措置の検討に入った。
既にペイオフが解禁されている定期性預金に加え、普通預金や当座預金など既存の流動性預金も全面的にペイオフ制度の適用対象とする方針は変えないが、事実上の全面解禁の見直しとなる。新型預金は決済専門で、中小企業の当面の営業資金や高齢者らの生活資金の保護に万全を期す。
小泉純一郎首相が同日、ペイオフ全面解禁に向けた金融安定化策を柳沢伯夫金融担当相に指示したのを受け、首相や金融庁長官の諮問機関である金融審議会に作業部会を設置し、新型預金の具体化を進める。
ペイオフ問題は小泉首相が全面解禁を主張しているのに対し、与党内では延期を求める意見が強く、調整が難航してきたが、今後は新型預金の導入案を軸に調整が進む見通しだ。
小泉首相は、金融相に「ペイオフの全面解禁は構造改革の一環で基本は揺るがしてはならず、予定通り実施すべきだ」とする一方で「決済システムが危うくなるようなことはあってはならない」と強調した。
金融相は、首相との会談後に記者団に対し「(今年4月にペイオフが解禁された)資金運用のための定期預金と、決済性の預金は性格が違う」と指摘した。
ペイオフ解禁の枠組みづくりを担ってきた金融審議会は1999年末の答申で、全面解禁後の課題として「企業や個人の決済サービスの多様化」を指摘。無利子の決済専門預金は、その第一段階となる。
金融審議会は、新型預金の検討のほか1コンピューターシステムの監視強化2金融機関の破たん処理の迅速化−などについても議論する。
■ペイオフ解禁 金融機関が破たんした際の預金の払戻保証額に上限を設けるペイオフは、1996年に実施が凍結された後、2001年4月に解禁が予定されたが、金融システムが不安定との理由で1年延期され、02年3月末まですべての預金が全額保護された。同年4月に定期預金などの定期性預金が解禁され、残る普通預金などの流動性預金は03年4月に解禁の予定。解禁後の保証額は元本1千万円とその利息に限定され、それを超える部分の一部がカットされる可能性がある。