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「結局のところ、仮に議員立法の形でペイオフ解禁の延期を目的とした“預金保険法改正案”を提出したとしても、政府サイドにその気がない以上、法案が成立する可能性はまずゼロに等しいと言っていいだろう。そうであるならば、現段階でこの問題に関して党サイドが強行突破を図ることはナンセンス以外の何ものでもない−」
自民党のデフレ対策特命委員会(相沢英之委員長)に所属する国会議員がこう言ってみせる。
そして、こう続ける。
「そもそも、ペイオフ全面解禁を延期すべきかどうかという問題に関して、デフレ対策特命委員会内部でも意見が割れているのが実情だ。特に若手のメンバーには、『当初のスケジュール通り−つまり2003年4月に、ペイオフ全面解禁に踏み切るべきだ』とする意見が根強くある。つまり、デフレ対策特命委員会内部も一枚岩でまとまっているわけではないのです」(前述の国会議員)
昨日(7月29日)、自民党のデフレ対策特命委員会は、“第3次デフレ対策案”をとりまとめ、これを決定した。
この“対策案”の中には、とりあえずペイオフ解禁の延期を求める方針こそ盛り込まれたものの、その方針を実現するための具体的なプラン−議員立法の提出などについて言及することまでは避けられることとなったのである。
もっとも相沢委員長は、
「大手銀行への資金移動で中小金融機関の経営が不安定化し、そのことで貸し渋りを招きかねない。そうした事態を回避するためにも、(ペイオフ全面解禁は)延期すべき」
とペイオフ解禁延期の必要性を求めるスタンスは崩していない。
しかしこの問題を巡る議論の主舞台は、自民党デフレ対策特命委員会から、与党三党の金融問題プロジェクトチーム(林義郎座長)へ移されることとなったのである。
「もっとも、政府サイドが、当初のスケジュール通りにペイオフ完全解禁を実施する、というスタンスを崩していない以上、いくら金融問題プロジェクトチーム(PT)で議論を重ねてみたところで、情勢に変化は見られないだろう」(自民党国会議員)
そもそも、このペイオフ解禁論議は、「政府vs党」という構図を多分に意識するところからスタートした議論だったと言っていいだろう。つまり、あくまでも“政治問題”としてのペイオフ解禁問題だったのである。
「とはいうものの、相沢委員長サイドには、この問題をめぐって何が何でも官邸との全面対決を辞さず、という姿勢はほとんど見られなかった。どちらかと言うと、ペイオフ解禁問題については、官邸および政府と強調してやっていきたい、というスタンスだった」(官邸中枢スタッフ)
前述の自民党国会議員が言う。
「仮に議員立法を提出する形で強行突破を図ったとしても、政府が反対の立場をとっている以上、法案の成立はまず不可能だろう。相沢委員長としても冷静にその辺の判断をしたのだろう」
そうした状況の中ひそかに注目されているのは、各省庁の副大臣と党部会長を兼務させる構想だ。
「本来ペイオフ問題を協議すべき立場にある財務金融部会の部会長と内閣府副大臣−金融庁担当を兼務させれば、党の意見がスムーズに政府に反映されることになる」(前述の自民党国会議員)
この“兼務構想”は、9月にも予定されている内閣改造とワンパッケージの形で協議されることになっている。
とりあえず、ペイオフ解禁を巡る議論は、内閣改造待ちといったところだろう。
2002/7/30