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☆米国株サマリー・過去3番目の上げで心理好転 慎重な見方も
NAA 8361 : 2002/07/30 火曜日 07:13
【NQNニューヨーク=小山文】29日の米国株式相場は大幅続伸。前週末の流
れを引き継ぎ、ダウ工業株30種平均は過去3番目の上げ幅(447.49ドル
)を記録した。投資家心理の好転を示すテクニカル指標も支援材料とな
り、通信大手のクエスト・コミュニケーションズの決算修正など悪材料
をものともせず、一本調子に上昇した。底入れ感が広がる一方で、本格
的な上昇相場入りには引き続き慎重な声が多い。
主要な株価指数が2日続けて上昇したのは独立記念日をはさむ7月3
日と5日以来となる。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラテ
ィリティー指数(VIX)は33.73と前週末から6.71ポイント低下し、8日
以来の低水準を付けた。S&P500種株価指数が節目の800を下回るなど
主要な株価指数が数年来の安値を付けた23日のVIXは50.48だった。
ラザード・フレルのシニア・トレーダー、ジョン・ジレット氏「短期的
に底入れした可能性は高い」と指摘する。ダウ工業株30種平均は24日の
取引時間中の安値(7532ドル66セント)から実に1179ドル22セント(15.7%)回
復した。
好地合いのなか、S&P500種を構成する全セクターが上昇した。前
週の下げを主導した金融株が前週末比6.5%と急伸。企業会計を巡る悪
材料も相場全体に響かなかった。クエストは28日、過去3年間の決算内
容を修正すると発表したが、「同社の株価は1ドル台に下げており、織
り込み済みだった」(ジレット氏)との声は多い。クエスト自身の株価
も朝方下落した後は前週末比横ばいの水準まで下げ渋った。
底入れ感は着実に広がっているが、本格的な上昇相場入りを予想する
声は聞こえてこない。RBCデイン・ローシャーの株式投資戦略部長、
フィリップ・ダウ氏は29日の売買高が膨らまなかったと指摘し、「29日
の急伸は買い戻し主導だった可能性が高く、積極的に買い進む材料に乏
しい」と見ていた。売買高はニューヨーク証券取引所で17億株超、ナス
ダック市場で19億株台にとどまった。買い戻し一巡後は市場の関心が再
び収益に戻る見通しだが、4―6月期の決算発表時に示された7―9月
期以降の収益予想にはまだ不透明感が残るとの見方が多い。
◇NY円続落、1ドル=119円65―75銭で終了 一時120円01銭
NAA 8326 : 2002/07/30 火曜日 06:38
【NQNニューヨーク=江頭知華子】29日のニューヨーク外国為替市場で円
相場は続落。前週末比90銭円安・ドル高の1ドル=119円65―75銭で取引
を終了した。米国株式相場の大幅上昇を受けドルを買い戻す動きが優勢
になった。円は一時120円01銭と7月8日以来の安値水準に下落した。こ
の日は米国株高を背景にドルが対主要通貨で全面高となった。
海外市場で円売り・ドル買いが進んだ流れを引き継ぎ、円相場は1ドル
=119円台半ばで始まった。その後は米株式相場が大幅高となったこと
を受け、午後にかけてドルの買い戻しが一段と進んだ。
この日、ダウ工業株30種平均の上げ幅は400ドルを上回った。「米国株
相場の短期的な底入れ期待が強まったことがドル買い材料」との声が多
い。「これまでドルが売られすぎた感があり、米株高を受けてドル安が
修正されている」(外為アナリスト)との指摘もあった。一方、前週ま
での米投資家の外貨建て海外資産の引き上げ(リパトリエーション)に
よるドル買いは一巡したとの見方が多い。
ユーロも対ドルで続落した。前週末の1ユーロ=0.98ドル台後半から0.98ト
゙ル台前半に水準を下げた。「ユーロは投機筋の買い持ち高が膨らんでい
たため、上値が重い状態」(外為トレーダー)との指摘がある。
円は対ユーロで小幅続落し、前週末比10銭円安・ユーロ高の1ユーロ=11
7円35―45銭で終了した。
◇株安リスク限られる・内藤氏――「相場を読む・株式」
NAA 8234 : 2002/07/30 火曜日 01:01
内藤一幸・UFJつばさ証券エクイティ営業部長 株式相場が現在の
水準から大きく下げるリスクは限られそうだ。日経平均株価が1万円を
割って以来、個人投資家が活発に買いを入れている。減税など政策発動
への期待も高まる可能性があり、日経平均は8月後半から9月に向けて
1万1000円程度まで回復する可能性が大きい。
米国株式相場はしばらく不安定な値動きが予想され、外国人投資家が
国内外で株式運用を減らす動きはまだ続きそうだ。しかし、米株安によ
る米個人消費などへの悪影響はかなり織り込んできた。国内金融機関や
企業の持ち合い解消売りは、現在の株価水準で実行すると損が出てしま
う場合が多いため、当面は大きく増えないだろう。
小泉首相が1兆円超の先行減税の検討を指示したが、株価低迷を受け
、さらなる景気対策が打ち出される可能性もある。不動産など内需関連
企業や、中国で収益を伸ばしている企業に注目したい。
◇半ば「鎖国」の日本株――「スクランブル」(1)
NAA 8230 : 2002/07/30 火曜日 01:00
29日の日経平均株価は4日ぶりに反発した。バブル崩壊後の最安値更
新はひとまず回避した格好だが、終値の9666円はこの日の安値圏。上値
の重さは鮮明だ。
米国株の反発と円安という好材料にも反応は鈍かったが、コメルツ証
券の宮島秀直ストラテジストは「日本株は米国株相場や企業業績、マク
ロの経済指標などあらゆる外部要因との相関性が薄れている」と指摘す
る。
宮島氏が定点観測している国内外の約130の指標と日経平均の相関係
数は4月に比べて軒並み低下しているという。例えばS&P500種株価指
数は4月の0.86から7月(29日時点)は0.52まで低下。同様に米店頭株式
市場(ナスダック)総合指数は0.76から0.42まで落ち込んでいる。
国内のマクロ経済指標や企業収益予想との連関性も薄れている。
比較的相関係数の高い鉱工業生産財出荷率でも、4月の0.80から6月は
0.52、非農業部門雇用者数は0.76から0.48まで後退。日経平均採用銘柄
の一株利益予想(コメルツ証券が複数のアナリスト予想を独自集計した
数値)も、4月の0.76から7月は0.40まで急低下した。
今や日本株は景気や企業業績の回復という好材料、乱高下が続く米国
株という懸念材料からもひたすら距離を置いて閉じこもる、「半ば『鎖
国』の状態」(宮島氏)に陥っている。
日本株の外部要因からの遊離ぶりを「政府の度重なる介入で株価形成
がゆがみ、市場の自律性が失われた結果」(白石茂治・エスジー山一ア
セットマネジメント常務)と改めて問題視する市場関係者は多い。
「これだけ相場が下げているのに、空売りなどのショート(売り)ポ
ジションはむしろ徐々に減っている」。新光証券の瀬川剛エクイティス
トラテジストは足元の相場の反発力の弱さを「3月の空売り規制強化の
影響が顕在化してきた」と分析する。
◇半ば「鎖国」の日本株――「スクランブル」(2)
NAA 8231 : 2002/07/30 火曜日 01:00
東京証券取引所がまとめる貸株市場を使った空売りの集計では、6月
の売買代金に占める空売りの比率は5.1%と相場が急騰した3月と同水準
にとどまった。信用売り残(東京、大阪、名古屋三市場合計)も1兆220
0億円強と、日経平均が今年の高値圏だった5月24日現在より約7%減っ
ている。
高水準の信用売りが積み上がっている米国株とは対照的で、「米国株
が急反発しても日本株はついていけず、日米の相関性がさらに低下する
」(瀬川氏)可能性もある。
「ショート不足」を招いた一因は公的資金の買い支え、いわゆるPK
O(株価維持策)との見方も有力。6、7月は日経平均が台替わりの節目
に接近した水準で「不自然な先物などへの買いが相場を下支えした」(
準大手証券の株式担当者)。
公的資金の運用実態はやぶの中だが、PKOの観測と空売り規制が売
り方の動きを鈍らせたのは想像に難くない。2月にあれだけ売りたたか
れた銀行株が堅調なのも、空売りを多用するタイプのヘッジファンドの
動きが沈静化している傍証だ。
外部要因からの日本株の「隔離」がどこまで持つかは不透明だが、実
は当面の不安材料はむしろ市場の内部にある。8月は「金融機関の持ち
合い解消売りが大量に出て需給関係が悪化する懸念が強い」(大和総研
の壁谷洋和マーケットアナリスト)からだ。
7月の相場低迷で持ち合い解消が遅れていることもあり、市場推計で
は銀行(信託銀行を除く)と生命保険・損害保険の8月の売越額は「昨
年(約5600億円)並みかそれ以上」(壁谷氏)に膨らみそう。「売越額
は8000億円を超える公算が大きい」(宮島氏)との試算もある。
さらに、需給悪化で株価低迷が続けば、次は「金融システム不安が再
燃しかねない」(クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券の市川
真一ストラテジスト)という相場水準そのものが最大の懸念材料になり
かねない。「その場しのぎの株価対策に頼ってきたツケ」(エスジー山
一の白石氏)は、かなり高くつきかねない。(高井宏章)