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「日本の為替も株もよく踏ん張っている」「米国の経済は強い」−。米国株がワールドコム・ショックで大下落に見舞われ、日本株も1万円割れ目前のジリ安展開となった23日、経済閣僚からは楽観的な見通しが相次いだ。薄日が差し込んできたかにみえる日本経済だが、その先行きはまったく不透明。「楽観するのはあまりにも危険」(機関投資家)というのが、経済界の一致した見方だ。
塩川正十郎財務相は23日の閣議後の記者会見で、米株下落の日本への影響について「米国から直撃を受けている割には、よく耐えている。日本の為替も株もよく踏ん張っている感じだ」と相変わらずの“塩ジイ節”を披露。日本経済の先行きについては「踏ん張った結果が、今秋から少しずつ好転という形で出てくるのではないか」との見通しを示した。
また、竹中平蔵経済財政担当相も同日の閣議後の記者会見で、米国株の下落について「(米国では)株価はかなり大幅に下がっているが、不動産は下がっておらず、お互い相殺し合っている」と指摘。米国の実体経済は非常に強いとの見方を改めて示し、「(米国は)経済と市場が不調和な動きをしている特殊な状況にある」と述べた。
こうした見方には首をかしげる向きも多く、市場関係者は「米国の経済は決して強いわけではなく、バブルの“清算”の段階にある。ダウ平均で6000ドルまで調整が進むというのが米金融当局の見立てだ。堅調な不動産価格についても、日本が不動産融資規制などで一気にバブルを崩壊させ今日にいたっているのを米国政府は“失政”とみており、何とかソフトランディング(軟着陸)させようとしている」(外資系エコノミスト)と指摘する。
一方、柳沢伯夫金融担当相は同日の閣議後の記者会見で、ワールドコムの経営破綻による日本の金融機関への影響について「銀行、保険など、総じて影響は限定的」との認識を示した。ただ、米株下落が日本経済に与える影響については「ちょっと巡り合わせが悪いという感じだ」とやや不安視した。