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【ワシントン竹川正記】
ワールドコムの破たんを受けた22日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均株価が8000ドルの大台を割り込んだことで、底の見えない株安が回復途上の米景気の腰を折る懸念が一層深まった。米ブッシュ大統領は同日の会見で、先行きの楽観論を強調したが、「巨額の粉飾決算による米史上最大の破たん劇」の現実化で、市場では「粉飾破たん予備軍が他にも隠れているのではないか」(米系証券アナリスト)との疑念が深まっている。
株価の長期低迷は避けられない見通しで、一層の株安に歯止めをかけるため、今後、米政府が何らかの対応を迫られる場面も予想される。
米国野村証券がより幅広い米株価指標「ウィルシャー5000指数」を用いて行った最新の試算によると、現在の株価水準が続いた場合、消費者心理の悪化による個人消費の減退などを通じ、米国の7〜9月期の実質GDP(国内総生産)成長率を3・0ポイント近く押し下げる悪影響があるという。同証券では同期の成長率を前期比3・0%増と予想しているが、仮に株価低迷が長期化し、試算通りの打撃を与えれば、米経済は再びリセッション(景気後退)の水準まで逆戻りすることになるわけだ。
同証券では「株価がさらに続落するのでなければ、成長率に対する前期比ベースでの押下げ効果は10〜12月期には緩和される」と説明。「現状までの株価下落で米国景気が再び後退期に陥るとの見方は、悲観的に過ぎる」としている。しかし、一時的にせよ、成長率が0%近辺まで落ち込んだ場合の市場や消費者に与える心理的打撃ははかり知れず、株安と消費者・企業心理のスパイラル(らせん状)的な悪化を招く懸念もある。