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小泉純一郎首相の持論は、「改革なくして回復なし」である。しかしこの経済構造改革の雲行きが大分怪しくなってきた。米国の相次ぐ企業会計疑惑、株安、ドル安円高で疑問符がついたからだ。米国は経済構造改革のモデル的存在だった。規制緩和とマーケット・メカニズム(市場原理主義)の導入と株主価値の極大化を推し進めれば、「勝ち組」と「負け組」に二極化され、やがて負け組は市場から淘汰され、経済は効率化し生産性が上がるとする「アメリカン・スタンダード」が、望ましいパラダイム(枠組み)として想定された。
しかし、効率化も高生産性も実は粉飾決算だった疑いが出てきたわけだ。アメリカン・スタンダードが全否定されるか、部分改訂に止まるかは今後の究明を待つしかないが、揺り戻しがあることだけはほぼ間違いがない。そこで株式投資でも、この揺り戻しを先取りするチャンスが生まれる。中心は、勝ち組でも負け組でもないサードパーティー(第三者、3P)株となる展開が予想される。
●「質への逃避」にもマッチする銘柄特性
1990年代は政治力、軍事力、経済力、産業力とどれをとっても米国の一人勝ちの10年間だった。経済・産業力に関しては、GE流の「選択と集中」を新ビジネスモデルとして、これにIT(情報技術)とFT(金融工学)がドッキング。10年間上昇し続けた株高効果も相乗し、世界のマーケットを席巻することになった。この間、日本はバブルの後遺症が負担となり、株価面では上場来高値を更新、高株価を満喫したのはわずか一握りの「勝ち組」であり、「負け組」は実際に企業倒産し市場から退場する二極化が進む縮小均衡の10年間だったといえよう。
問題は、この「勝ち組」「負け組」以外の平均的企業、いわゆるサードパーティー株である。どちらかといえばオールドエコノミーに属し派手な経営革新もなく、大型M&A(合併・買収)による業界再編の圏外に置かれていた。このため、当たり前に黒字を計上し配当を実施しているにもかかわらず、株価は低位に放置されPERは割安水準、PBRに至っては解散価値を下回る1倍割れを余儀なくされてきた。
となれば、今回の米国の企業会計疑惑に端を発したアメリカン・スタンダード見直し論議のなかで、サードパーティー株の経営の安定性、確実性、継続性に再評価の動きが予想されて当然で、投資価値が再認識される展開もないとはいえなくなる。波乱相場で起こる「質への逃避」に関連し、そのディフェンシブ的な銘柄特性が注目されもするからでもある。
●セレクトの条件は5つ
では具体的にどのような銘柄が浮上してくるだろうか。セレクトの条件としては、業界2、3位に位置し株価は300円前後、低PER・PBR、しかも増益基調にあることが基準となりそうだ。森永乳<2264>、横浜ゴム<5101>、文化シヤッター<5930>、モリタ<6455>、平和不<8803>、商船三井<9104>、住友倉<9303>などが候補株として注目される。
(相馬 太郎)
・そろそろ出番?〜夏本番の季節銘柄はこれ!
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/22/20020722144514_96.shtml
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http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/11/20020711143520_66.shtml
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http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/11/20020711095011_34.shtml