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「ソフトバンクの株価が、あのリポートが指摘していた通りの展開になってきた。とりあえず先週末の段階では1420円を付けていた同社の株価だが、1000円の大台割れも秒読み段階に入ってきた、と見ていいのではないだろうか。少なくとも我々としては、ソフトバンク株については要警戒、というスタンスで臨んでいる」
大手金融機関の株式運用セクション責任者がこう言ってみせる。
このコメントに登場する“あのリポート”とは、有力外資系証券会社のリーマン・ブラザーズ証券が去る6月18日付で作成したソフトバンク株に関するリポートのことを指す。
約1カ月前に作成されたリポートをこのタイミングで紹介するというのもいささか恐縮だが、極めて興味深い内容であるため、とりあえず以下で簡単にトレースさせていただく。
このリポートの最大のポイントは、
「ソフトバンクの目標株価を975円へ引き下げる。したがって、投資判断は『5−売り』へ引き下げる」というところにある。
このリポートが作成された段階で、ソフトバンクの株価は1895円。つまり、リーマン・ブラザーズ証券は、同社の株価が半値近くまで下がると予想したのである。
それでは、その理由はどこにあるのだろうか。リポートではこう指摘している。
「ソフトバンクの純負債は今や、Yahoo! Incとヤフー! ジャパンを除いた上場資産の価値を上回っていると判断される。
純債務を考慮したソフトバンクの上場資産の価値は正味で約36億円、株1株当たり1331円と推測される。
純債務、キャピタルゲイン税を考慮したソフトバンクの上場資産の価値は約22億ドル、1株当たり775円と推測される。
この775円に未上場資産の1株当たり価値220円を加えたソフトバンクの価値は1株当たり975円となる−以下略−」
少々長い引用となってしまって恐縮だが以上が“975円適正株価”の根拠となっているのである。
そして、そのソフトバンクの株価は、このリポートのまさに予想通り先週に入って大きく値崩れ状態に陥ってしまったのが実情だ。
先週の始値は1635円でスタートしたものの、一時1410円を付け上場来最安値を更新してしまったのだ。
「先週の終値は、とりあえず1420円で下げ止まりましたが、株価は相変わらず軟調で今週も値を下げていくことは確実でしょう」(大手証券会社営業担当幹部)
本稿冒頭で登場した大手金融機関の株式運用担当責任者が言う。
「実は、ソフトバンクは、これまで同社の力の源泉であった同社が保有する米・ヤフー株の売却が事実上不可能な状態に追い込まれているのです。それというのも、米・ヤフー社はソフトバンクに対して、その持ち株の売却に関して一定の制限を設けており、これ以上の売却はその“制限”に抵触してしまうことになるのです」
こうしたコメントから判断すると、ソフトバンクは、ヤフー・ジャパンを含めたヤフー関連株の売却は不可能な状態に陥っていると見ていいだろう。
「だからこそソフトバンクは、あおぞら銀行株の売却に本気にならざるを得ないのです」(前述の運用担当責任者)
果たしてソフトバンクの株価は、事実上のクラッシュとも言える975円ラインに接近するのかどうか。
まさに今週が正念場と言えるだろう。
ソフトバンク株は要警戒だ。
2002/7/22