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前週末の米国株の大暴落を受けて始まった週明け22日の東京株式市場は、午前9時15分過ぎに平均株価が前週末比204円24銭安の9998円12銭と1万円を割り込み、取引時間中では今年2月21日以来5カ月ぶりの大台割れとなった。その後、急速に値を戻し、とりあえず“米国発世界同時株安”には歯止めがかかったが、米国株安は長期化するとの見方は強い。株安の連鎖を断ち切ることができるのか。それとも、輸出壊滅と金融危機の再燃で、日本経済も失速してしまうのか。重大な岐路に立たされている。
「現在の米国株式市場は、かつての日本のバブル崩壊直後に酷似している。株式市場に集中していた個人投資家の資金がパニック的に流出し株離れが起きている」(米系大手証券アナリスト)
米国では、ついに“米国版バブル崩壊”が始まったとの認識が急速に広がっている。
1990年代後半、ダウ平均が6000ドルを超えたときからグリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「バブルだ」と警告を発し続けてきた。現在の8000ドルからみると、下げ余地はまだまだ大きい。「崩壊局面は日本の失われた10年に匹敵する長期に及ぶ可能性も否定できない」(同)との悲観論も出ているのだ。
米国株暴落が日本経済に与える影響について、竹中平蔵経済財政担当相は20日に「それほどでもない」と、ことさら軽視してみせた。7月の月例経済報告で、景気判断を上方修正した政府としては、そう強がるしかなかったのだろう。
「米国のほとんどの世帯が投資信託などを通じ株式を保有しており、株価下落による逆資産効果よる消費の冷え込みは日本の比ではない。米国向け輸出頼みの日本経済への影響は深刻」(民間エコノミスト)だ。
さらに、米国株安は“米国売り”の様相を呈しており、円高ドル安に拍車をかけかねない。日本の輸出企業の採算ラインである1ドル=115円を突破すれば、日本の輸出企業の業績は急速に悪化する。
日本経済研究センターでは、米国株安と円高によって、日本の実質経済成長率を0.6%押し下げると試算。第一生命経済研究所も円高によって0.46%低下すると弾き出している。今年度の日本経済はゼロ成長がせいぜいと予想されていたが、マイナス成長への転落は確実だ。
カギは米国株安と景気腰折れのダブルパンチを受けた日本の株価の行方だ。市場では「今年2月に付けたバブル崩壊後の最安値である9420円も視野に入ってきた」(準大手証券)との声も出ている。“3月金融危機”が浮上していたときの水準である。
「株価下落が、巨額の不良債権処理にあえぎ、過小資本状態にある大手銀行の危機的状況を露呈させるという構図はなんら変わっていない。状況は危機の先送りによってむしろ悪化している」(高木勝明治大教授)
とても「米国株安が日本経済に影響を与えない」などといえる状況にないことだけは、間違いない。