現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
08/23 16:27 経済危機が出稼ぎ者直撃 パラグアイに深刻な影響 外信69
共同
南米アルゼンチンの長引く経済危機が、隣国パラグアイに深刻な
打撃を与えている。アルゼンチンで働くパラグアイからの出稼ぎ労
働者の本国への送金が大幅に減少している上、アルゼンチンに見切
りを付けて続々と帰国する出稼ぎ者が、高い失業率に苦しむパラグ
アイに「追い打ち」となっているためだ。
首都アスンシオン郊外に住む無職のレオナルド・ジェグロスさん
(73)と妻アゲデさん(63)。息子(40)一家と娘(43)
がアルゼンチンに出稼ぎに行っている。収入のないジェグロス夫妻
の生活を支えるのは、貯金と、娘からの月二百ドル(約二万四千円
)程度の仕送りだった。
「昨年末にアルゼンチンで大統領が次々に辞めたころから、息子
と娘が(アルゼンチンでは)生活ができないと言い出した」とレオ
ナルドさん。仕送りは途絶えた。現在は貯金だけで食いつなぐ。
「収入はすべて食料に消えてしまうと言っていた。食べる物に困
った娘は、スーパーで商品の余り物を集めて生きている」(レオナ
ルドさん)。子供二人はアルゼンチンの家を売って、早ければ年末
にもパラグアイに戻る計画という。
アルゼンチンには家族を含めて約百万人のパラグアイ人が滞在し
ていると推定され、パラグアイのエコノミスト、ロベルト・カヨ・
カセレス氏によると、出稼ぎ労働者の多くは建築、鉄工関係の仕事
に就いている。
同氏の推計によると、一九九九年に出稼ぎ労働者によるアルゼン
チンから本国への送金総額は約九千四百万ドル。パラグアイからア
ルゼンチンへの主要輸出品となっている綿花の輸出総額を上回るが
、経済危機の影響で二○○一年には約四千万ドルまでに落ち込んだ
。
カセレス氏は「送金の減少などで国内の資金流通量が少なくなり
、消費量も下がる。貧困層はさらに貧困になり、帰国した労働者が
国内で仕事が見つけられないため社会的なプレッシャーも高まる」
と今後のパラグアイ経済に懸念を抱く。
預金凍結などのアルゼンチンの金融混乱は、出稼ぎ労働者の問題
以外にも、貿易額の減少や、心理的影響による預金解約などの形で
パラグアイに波及。成長率マイナス0・3%(○○年)、失業率1
5・3%(○一年)と、低迷する同国経済にさらに大きな打撃を与
えている。
ジェグロス夫妻の子供が帰っても、国内で仕事を見つけられる保
証はない。レオナルドさんは「政府は何もしてくれない。わたした
ちに将来など全くない」と悲観的だ。(アスンシオン共同=大熊慶
洋)
(了) 020823 1626
[2002-08-23-16:27]