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経済政策の大転換のメドは来年半ばか http://www.yen-dokki.com/
UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは、今日のポイントとして、次の2点を挙げる。つまり、@経済指標:7月の通関統計(追加)、A経済政策:政策転換の山場は来年央にかけて
<中国、台湾、韓国の”3大輸出先”に牽引される日本経済> 7月の通関統計をもう一度見直すと、「7月の輸出が、如何にアジアによって支えら れているかが、よくわかる」と語る。そしてアジアの中でも、中国、台湾、韓国といった 、日本にとっての3大輸出先が牽引役となっている。ちなみに、これら3カ国は対アジア輸出の50%以上を占めており、輸出全体に対しても23−24%のシェアを持つ。輸出の4分の1とはいえ、中国向けは(前年比で)45.5%増、台湾向け は32.4%増、韓国向けは16.0%となっており、「平均して30%に迫る勢いであれば 、輸出全体を前年比6−7%の速度で牽引する力がある(3カ国合計の寄与度は7月 +6.3%)」。なお、これら3カ国を除く地域への輸出の寄与度をみると、7月は+2 .6%となっており、6月比ではほぼ横ばいであるが、5月の+4.7%からは低下している。米国向け輸出が5月(+5.6%)をピークに緩やかなスローダウン(7月 −1.0%)にあることと符号する。
<世界の工場化した北東アジアが順調に成長持続> 7月の通関統計には、「北東アジアが世界の工場と化し、その下で国内景気も依然 順調に成長している姿が反映された」と言う。こうしたモメンタムはいつまで続くのであ ろうか。この点については、米国景気の「回復力」ではなく、「世界経済の在庫・ 生産循環に依存する」ものとみている。すなわち、米国景気の回復力が仮に予想に 比べて弱いものになったにせよ、それが「失速」とならない限り、「アジア3カ国 は世界の貿易シェアを喰う形で、それなりに外需を伸ばし、その結果として、内 需も上向きのモメンタムを継続する」と見ている。したがって、「輸出の循環は、やはり来年の春先 までは上昇基調を維持する可能性が高い(加速感は生じないとみているが)」と読 む。
<来年度後半のデフレ圧力は2001年を上回ると予想> 外需のスローダウンが来年春先までは生じないとすれば、生産や企業収益のモメ ンタムも、そこまでは緩やかな改善傾向となろう。内需の回復力が極めて限定的であるにせよ、輸出・生産循環が下降局面に入るまで、政府・日銀の政策転換は 望めない。年内に、財政・金融政策面で議論が盛り上がる可能性は低い。税制改革も1兆円(1.5兆円程度か)の政策減税で終わりであり、それ以上の対応は出な いであろう。補正予算の可能性も低い。金融政策も、よほど株価が下押ししない 限り(9000円割れ)、仮に10月末に改訂される日銀の経済・物価見通しが下方 修正されたにせよ、年内は、「現状維持」を続ける可能性が高いと見る。こうして、「政策転換の山場は、早くて来年2−3月、順当なところでは、来年半ば」と予想する。 同社では、来年央以降の景気はかなり激しい下押し圧力を受けるものとみており 、来年度後半のデフレ圧力は2001年を上回ると予想している。「経済政策、特に金融政策の大転換のめどは来年半ばである」と予想している。