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「名無し」さん、こんにちわ。
拙文をご愛読いただきありがとうございます。
時間的猶予をいただいたことに甘え、レスが遅くなりました。
「大恐慌」及び「バブル崩壊デフレ不況」は、原因的には類似的なもので、対処法も同じものが求められますが、「定常状態」もしくは「均衡状態」とは定義できないと思っています。
「擬似的定常状態」と言うことはでき、そのような経済状況への対処を誤ると、どのような経済状況が生まれ、国民生活がどのような状態に陥るかを知ることができる重要な歴史的経済事象です。
「近代経済システム」は根源的に国際的なものですから、「定常状態」もしくは「均衡状態」も、国際構造を変更しても解決できないものに限定されると考えています。
「大恐慌」は、第二次世界大戦を通じてパックス・ブリタニカと呼ばれた19世紀的国際経済構造を変更することで解決を果たしました。
「バブル崩壊デフレ不況」に陥っている日本は、自己が米国に還流する通貨に依存する輸出に依拠してしのいできましたが、苦境を解決できないままずるずると現在まで至り、「定常状態」の入り口に立っていると認識しています。
米国などは、「対イスラム戦争」を通じて国際経済構造を変更しようとしているようですが、仮にそれが巧くいったとしても、資源や企業の所有形態そして国際金融構造の変更にとどまるものですから、本格的「定常状態」に陥るのを早めるものであっても、遅らせたり、解消できるものではありません。
財と用役における供給(力)>需要というギャップ問題(SとIの問題を含む)を解消しない限り、「定常状態」をクリアすることはできません。
第1段階の「定常状態」は、国内における供給=<需要の実現と余剰通貨の発展途上国への“提供”をベースにした余剰生産財(資本財中心)の輸出によりクリアすることができると考えています。
国内の供給=<需要は金額ベースですから、財の物理的供給力としては貿易黒字分だけ過剰ということになります。第1段階の「定常状態」はこのようなかたちで脱すれば、利潤を伴うGDPの拡大を実現できます。
(日本が米国にドルを還流しながら経済活動を維持してきたことをイメージしてもらえればいいと思います。対象が先進国ではなく発展途上国という違いです)
その後に来る「定常状態」は、正真正銘の「定常状態」でクリアする方法がないものですが、第1段階のクリア策は、最終的な「定常状態」を見通したなかでしか実行されない政策ですから問題は生じません。
第1段階の「定常状態」に陥ったことを自覚しないまま「世界同時デフレ不況」を何とかしようともがけばもがくほど、世界の人々は悲惨な歴史を長く歩まなければならなくなります。
経済社会は自然現象ではないので、「近代経済システム」が自己運動的に別のシステムに移行することはありません。
経済システムは人々の英知で変更するしかないわけですから、英知が働かない限り、災厄の日々は“無限”に続くことになります。