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大規模なシステム障害が記憶に新しいみずほフィナンシャルグループが、当初、９月末に予定していたニューヨーク市内の３支店の統合を２カ月延期する方針を固めたことが分かった。日米間の送金業務などを処理するコンピューターシステムの統合作業に時間をかけるためとみられる。障害再発が許されないだけに、より慎重な準備を迫られたようだ。
今年４月、個人・中小向けのみずほ銀行と大企業向けのみずほコーポレート銀行発足にあたり、ロンドンなど他の海外都市では旧３行の支店の統合が進んだが、取引先が多く決済ボリュームが大きいニューヨークについては、みずほコーポレート銀の支店として、ニューヨーク支店（旧日本興業銀行）、ニューヨーク・ブロードウェイ支店（旧第一勧業銀行）、ニューヨーク・パークアベニュー支店（旧富士銀行）の３つが残っている。
当初のスケジュールでは、３支店は９月末に旧興銀のニューヨーク支店に統合する予定だったのだが、２２日付の日本経済新聞によると、統合の２カ月延期を決定したという。
その背景にあるのは、やはり４月のシステム障害だ。ＡＴＭ（現金自動預払機）のトラブルや公共料金の引き落とし漏れ、口座振替の遅延などが連鎖的に発生。障害の背景に旧３行の主導権争いがあったことや、みずほホールディングスの前田伸晃社長が「実害はなかった」と発言するなど対応のまずさもあり、顧客の信頼を失った。
石原慎太郎都知事にも「世界の恥」とまで言われ、都の検査でも、「再発の可能性は否定できない」として、預金量を数千億円規模で減少させるという事態にまで発展している。
こうしたなか、世界経済の中心地のニューヨークで送金トラブルなどシステム障害が起きれば、本当に世界的な問題となってしまうだけに、障害再発防止が最優先され、システム統合の準備作業や統合のテストにさらに時間をかけることを決めたとみられる。
昨年９月１１日の米中枢同時テロでも、世界貿易センタービルに新設したばかりのディーリングルームが消滅するという試練を受けたみずほだが、今回の統合延期で雨降って地固まるとなるか。

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