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「来月１日に、新生・三菱証券がいよいよ設立されることになっているが、東京三菱銀行としてはその三菱証券と全面的に組む形で積極的に、そして早いピッチで共同店舗を出店させていく方針を固めている。こうした共同店舗は、遅くとも１年以内に２ケタ台の数になっているとみてもらっていいだろう」
東京三菱銀行役員がこう言う。
このコメントに登場する“新生・三菱証券”とは、国際証券、東京三菱証券、東京三菱パーソナル証券、一成証券といった三菱東京フィナンシャル・グループ（ＭＴＦＧ）系証券４社が大同合併して誕生する新証券会社だ。そして、この三菱証券の設立は、９月１日が予定されている。
東京三菱銀行は、三菱証券の設立を受けて積極的に同社と共同で新型店舗を開設していく方針を固めたようだ。
「開設する場所については最終的には確定していないが、現在、条件に合致した物件を精力的に探している最中だ。共同店舗は地域の経済集積度に合わせてバランス良く配置されることになるだろう」（前述の東京三菱銀行役員）
もっとも、東京三菱銀行が、証券会社との間でこの種の共同店舗を開設することは今回が初めてではない。２００１年１０月に国際証券との間で同行初めての共同店舗「千里中央支店」を開設している。
「現在出店を計画している“共同店舗”は、いわば『完全共同店舗』と称される種類のものを前提としたタイプだ。そしてここでいう『完全共同店舗』については、銀行店舗の一角に証券会社の窓口が設置されたような状態をイメージしてもらえばいいだろう」（前述の東京三菱銀行役員）
とはいうものの、この種の『完全共同店舗』の開設については、現在まだ認められていないのが実情だ。
「しかし金融庁が８月６日に発表した“証券市場の改革促進プログラム”にはその設置を認めることが盛り込まれており、今年９月中には解禁される方向だ−」（大手都銀役員）
前述した東京三菱銀行の動きは、こうしたスケジュールを前提にしたものとみていいだろう。
もっともこうした動きを見せているのは何も東京三菱銀行だけではない。“ビック４”各行も、同様の動きを加速させているのが実情だ。
みずほフィナンシャルグループでは、みずほ銀行とみずほインベスターズ証券が、今年１１月にも２カ店の共同店舗（大森山王支店、石神井支店）を相次いで開設させる。
「とりあえず現時点では、共同店舗内ではみずほ銀行部分とみずほインベスターズ証券部分との間には、すりガラスで“間仕切り”を設置し両社を明確に区分させる予定ですが、規制緩和が実施されれば、この“間仕切り”はすぐにでも撤去し、瞬時に一体化させるつもりです」（みずほ証券幹部）
またＵＦＪグループの証券担当者が言う。
「われわれとしても、系列のＵＦＪつばさ証券と連動し、『完全共同店舗』には積極的に対応していく方針だ」
今後、銀行店舗は急速に多機能化していくものとみられ、その動きには要注目と言えるだろう。
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