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「信用金庫業界と並ぶ形で、これまで“ペイオフ完全解禁”の延期を強く主張してきた第二地方銀行業界だが、そうしたことを声高に主張するのであれば、また同時にやるべきこともあるはず。今期からその動きを本格的させている『四半期財務情報開示』もその一例だ−」 金融庁幹部がこう言ってみせる。そしてこう続ける。
「第二地銀業界は、“ビッグ4”等の大手銀行グループや地銀業界と違って、『四半期財務情報開示』に関しては極めて消極的。適切なディスクローズ(情報開示)に消極的なスタンスをとっている銀行が、預金者に対して正しい理解を求めることなど土台無理。逆にそうした銀行が預金者から不信の念を抱かれたとしても当然だ」
このコメントにもある通り、銀行業界では今期(平成14年度)から四半期ごとの業績の概況に関する情報開示を本格化させている。特に“大手行”のカテゴリーに入る銀行・金融グループについてはそのすべてが情報開示を徹底させているのが実情だ。
「いわゆる“大手行”の『四半期財務情報開示』については、昨年10月に経済対策閣僚会議で決定をみた『改革先行プログラム(骨太の方針)』に盛り込まれていた項目なのです」(大手都銀経営中枢幹部)
全国銀行協会(全銀協)ではこの“決定”を受ける形で、全銀協内部に「四半期情報開示検討部会」を設置し、今年1月までに開示項目のヒナ型を作製しこれを公表していたのである。
「そして大手行では、この“ヒナ型”にそう形で、今期から四半期ごとの財務情報の開示に踏み切ったのです」(前述の大手都銀経営中枢幹部)
そして平成14年度第1四半期(4−6月期)については、大手行は7月末までにそのすべてが財務情報を開示している。
また地銀業界では、これまでに64行中21行が実施しているのが実情だ。
「ところが第二地銀業界では、開示に踏み切ったのは全56行中、わずか7行にすぎません。確かに地銀、第二地銀については、“大手行”とは異なり、『四半期財務情報開示』を義務付けられているわけではありません。従って、その開示に踏み切ったところは、あくまで自主的な開示にすぎないことも事実です。とはいえ、“全56行中7行”という実績は、あまりにも消極的すぎる。これでは預金者の理解は得られないだろうし、預金が流出するのは当然だ」(金融庁幹部)
とはいっても、第二地銀業界の中には、島根銀行(本店・松江市)や西京銀行(本店・徳山市)のように、未上場ながら情報開示に踏み切った銀行もある。
「中でも島根銀行は、平成13年度第3・四半期(10−12月)分から情報開示に踏み切っているのです。これは、地銀・第二地銀両業界−−さらには、“大手行”を含めても最も早い対応です。こうした島根銀行の素早い動きは、高く評価されるべきであろう」(同)
当コラムでも引き続き、この「四半期財務情報開示」に関する問題については、ウオッチを続けていく方針だ。
読者におかれてもぜひ、取引先の銀行に出掛けていって、「おたくの『四半期財務情報開示』はどうなっているの」とたずねてみることをお勧めする。
その際の銀行側の対応が、もし“消極的”であるならば、取引先を変更することも検討してみるべきではないだろうか。