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(回答先: 全店手形 投稿者 ファイナンシャル・ディテクタ 日時 2002 年 8 月 20 日 19:33:21)
20日の短期金融市場では、日銀の手形買い入れによる資金供給オペが２日連続で札割れとなった。手元資金を潤沢に抱える大手銀行の応札意欲が後退しているためだ。この日の資金供給は年内に期日を迎えることから、応札額はさらに減少した。
東京三菱銀行資金証券部のトレーダーは、前日に年末越えの供給オペが札割れしたことを踏まえれば、年内物は応札が大幅に減少して当然と指摘。都市銀行は期間の長い資金をそこそこ確保できている。当座預金残高がすぐに15兆円を維持できなくなるわけでもないが、供給オペに集まる応札は減少する方向だとみる。
この日の本店手形買い入れ5000億円（８月22日−12月19日）の入札に集まった応札額は2620億円で、４月４日のオペ（2357億円）以来の低水準。前日の全店手形買い入れ9000億円（８月21日−２月５日）の応札額は8921億円だった。
本店分は全店分に比べて参加金融機関が少ないうえ、期間も年内の供給にとどまっているため、応札は少なくなる。ただ、７月までは本店分でも１−２兆円前後の応札が集まっており、７月末に政府がペイオフ全面解禁を見直す方針を示した影響が大きいようだ。
また、８月に入って年末越えの全店オペが５回（総額4.8兆円程度）も実施されており、担保の潤沢な都市銀行が積極的に応札した結果、かなり先まで資金繰りが進んだ影響もある。また、東京三菱銀行のトレーダーは、日々の余剰資金を運用しきれなくなったことで応札を控え始めた銀行もあるだろうと言う。
金融調節
目先の金融調節について、日銀が当座預金残高を15兆円程度で維持することにはそれほど支障はないようだ。ただ、応札額の減少ペースがはやいうえ、今後応札が増加するような要因も見当たらないことから、日銀は何らかの対応が迫られる。
国債借り入れ（レポ）オペはレポ市場の状況から札割れが発生する公算が大きく、16日以降は実施されていない。ＣＰ買い現先オペも前回の入札では札割れ寸前。結果として短期国債の買い切りオペ増額の公算が最も大きい。10月に新現先オペが実施されるまで継続される公算がある。
数値目標の達成を第一とする金融調節を疑問視する向きも多い。都市銀行のトレーダーは、市場が拒絶するのに無理やり供給してまで数字合わせをしても意味がないと指摘する。過去に例のない資金余剰感が広がるなか、無理な金融調節は市場に一段のひずみを生じさせかねない。
例えばコール市場では取引の減少が鮮明だ。19日時点の無担保コール残高は３兆8900億円と14年ぶりの低水準となっており、かつて都銀１行が一日に調達していた程度の額まで落ち込んでいる。急激に資金需要が高まった場合、市場が元どおり復元するか不安視する向きは多い。
市場縮小を懸念
各銀行とも手元資金が潤沢になり、目先の資金繰りに安心感が広がっていること自体は悪いことではない。しかし、そのためにコール市場が縮小し過ぎて市場機能が損なわれてしまう懸念はある。大手銀行の資金繰りが流動性預金を基盤としているだけに、その安心感も“資金はとどまり続ける”という期待に過ぎないためだ。
農林中央金庫資金為替部のトレーダーは、ペイオフ全面解禁が見直され、今後は急激に資金ニーズが高まることもなさそうだとみる。ただ、各行の資金繰り担当者は、需要がなくてもコール市場では常に参加している姿勢を示しておきたいと言う。いったん市場から消えてしまうと認知されなくなり、いざと言うときに資金を出してもらえなくなる不安があるためだ。
ペイオフ全面解禁が見直されることになったものの、その着地点は依然として不透明だ。普通預金の全額保護が継続されない限り、大量の預金がシフトすることは避けられないとの見方もある。今年４月にペイオフの部分解禁が実施されたときでさえ60兆円の資金が動いたと言われており、全面解禁時にはその何倍もの資金が動くと予想されている。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。