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米系格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、ペイオフ解禁の見直しに関する見解をリポートで発表した。全面解禁を延期した場合のメリットは一時的で、日本の銀行業界の健全化が遅れると指摘した。
S&Pはリポートで、ペイオフ解禁が実質的に延期されれば「格付けが低い銀行の厳しい資金調達環境が緩和されるというメリットがある。だが、効果は長期的に持続しない」と述べた。
大手銀行にとっては決済性預金を全額保護することのメリットは少なく、システムコストや預金保険料引き上げがかえって負担になる、とみている。ただし、こうした負担を理由に、銀行の格付けを変更する意向はないという。
政府は1日、決済性預金の全額保護策を「恒久的な措置」とする方針で具体策の検討に入った。これにより、企業が決済目的で使う利子の付かない当座預金や、金融庁が創設を検討している決済専用の新型預金などは全額保護の対象となる見通しだ。
S&Pの見解では、こうした保護措置では資金の「質への逃避」を長期的に食い止めることはできない。弱い銀行が市場にとどまることになり、かえって銀行業界の健全化が遅れるとみている。存続の難しい銀行に退出を促し、存続できる銀行に財務内容を改善させるなど、預金者の信頼を回復するための包括的な政策が必要だと指摘した。