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長野県知事選:争点は「田中康夫氏」 政策論争うすく「毎日新聞」 投稿者 ほくめん 日時 2002 年 8 月 16 日 02:52:33:

田中康夫前知事(46)の失職に伴う長野県知事選が15日、スタートした。ダム問題をはじめ政策論争がかすむ中、「反田中」候補は、こぞって田中氏の「資質」に的を絞り始め、「独善的な田中氏では、県議会とのねじれは解消できない」と批判。一方、「ウルトラ無党派」を自任する田中氏は、「今回も組織を持たない挑戦者」と強調、選挙戦の争点は、「田中氏その人」へと収れんしそうな雲行きだ。異例ずくめの選挙戦は9月1日投開票。告示日のこの日、見えてきた選挙戦の対決構図は――。 【西田進一郎、木村健二】

 「知事と議会のねじれた関係が何ら解消されないのに(田中氏が)議会を解散しなかったのは問題。混乱は解消されず、本当の意味での課題に取り組めない」

 JR長野駅前。長谷川敬子氏(50)は街頭第一声で、田中氏が知事のままでは議会とのねじれは解消できないと強調した。「反田中」候補は、田中氏の政治手法を「独善的」と批判、政策の柱の一つに「対話」を掲げる。

 「市町村長や県議会との合意形成を軽んじる」。県議会の不信任決議(7月5日)は、こう批判して田中氏に三くだり半を突きつけた。

 不信任決議に賛成した県議44人(反対5、欠席11)のうち、田中氏が再選されたら「辞職する」のは2人のみ。4割を超す19人が「辞めない」方針で、中には「田中氏がこれまでの手法を続けるなら、再び不信任を突き付ける」と明言する県議もいる。仮に田中氏が再選されても、対立状況は容易に解消されそうもないことが、田中氏のウイークポイントの一つだ。

 長谷川氏らには、脱ダムなど政策面で反対姿勢を鮮明にすれば、「県議会寄り」と批判を招くのではないかという不安がある。そこで、ねじれを招いているのは、田中氏自身の「資質」「人となり」に起因していることをアピールし、攻め立てている構図だ。

 これに対し、田中氏は市町村長らとの関係改善を意識してか、7日、「ガラス張りの知事室での懇談にとどまらず、県内各地の市町村長や県議の事務所などを訪ねて緊密な協力関係を築きます」と「お出かけ知事室」(仮称)構想を発表。一方で、13日のミニ集会で「遅くとも来年4月には県議選がある。みなさんの中から県議になる人を見いださなきゃいけないということだ。私もきちんとお手伝いする」と語るなど、来春の統一地方選への言及も増えた。

 統一地方選で自派の候補を当選させることが、自らの信念を貫きながら、議会との関係も良好にする道だと考えているようだ。ただ、「即効薬」とは言えず、逆に「ならば、なぜ今回、県議会を解散して、自派候補を出す道を選ばなかったのか」との反論につながる可能性があるのは確かだ。

 「私は今回も挑戦者だと認識している。民意に耳を澄ませているとは到底思えない人々や組織が見え隠れすれども、市民一人一人には明確に把握できない密室の形の『見えざる敵』との挑戦と思っている」。長野市での第一声。田中氏はこう語った。田中氏を不信任した県議らの実質支援を受ける長谷川氏が念頭にあるのは明らかだった。

 さらに北へ約40キロの村で開いたミニ集会では「ダムを中止と言っているのは私だけ。ほかの候補は当選してから答えるという。ダム問題の背景にあるのは政官業の癒着の構図だ」と他候補との違いを強調。候補者すべてが「無党派」をアピールする今回の異例の選挙だが、「真の無党派は私」と言わんばかりの口ぶりだった。

 長谷川氏は、田中氏の失職後、市民団体などから相次ぎ要請を受け「傍観者ではいられないという気持ちが、少しずつ高まってきた」と立候補の理由を話す。ただ、自身は政党の推薦を受けず「無党派」に徹するつもりでも、擁立に反田中の有力市長らが関与していたことが徐々に表に出始めている。「背景に県議や市長がいるというフィルターをかけないでほしい」と長谷川氏が報道陣に繰り返すのも、これを気にしているからに他ならない。

 前産経新聞論説副委員長、花岡信昭氏(56)の告示日前日の立候補「断念」劇が、選挙にどう影響を及ぼすかも焦点となる。

 花岡氏は1日には報道陣に「長谷川さんは旧体制の候補。倒すべき対象は2人。田中さんのパフォーマンスだけでもだめ。長谷川さんの旧来型の秩序もだめ」などと発言。「長谷川氏は県議団をバックに立った」と批判していた1人だった。

 ところが、両氏は突然、政策協定を結んで一本化。「反田中票の分散」を懸念した鷲沢正一・長野市長らの仲介だった過程も早々と明らかになり、田中氏の言う「見えざる敵」どころか、一段と見え始めている状況にある。

 田中氏は「市民が知らない場所で、当事者も直前まで知らないままに根回しや半ば談合と呼ぶに等しきことが行われる長野県であってはならないと、私は改めて誓った」とも。田中氏には格好の攻撃材料を与えてしまった形で、「反田中」候補の一人、市川周氏(51)も「キツネにつままれた思い。選挙民はどう判断するのか」と皮肉った。

候補者は6人に 長野県知事選は15日午後、新たに1人が届け出て立候補者は6人になった。

 立候補者次の通り。 (届け出順)

三上 誠三(みかみ せいぞう)52 会社社長

 =無新

市川  周(いちかわ  しゅう)51 会社社長

 =無新

中川 暢三(なかがわ ちょうぞう)46 [元]会社員

 =無新

田中 康夫(たなか やすお)46 [元]知事

 =無前(1)

長谷川敬子(はせがわけいこ)50 弁護士

 =無新

福井 富男(ふくい とみお)77 弁護士

 =無新

◆民主は中央VS地元

 知事と県議会とのねじれをどう見るかが大きな焦点の長野県知事選には、「もう一つのねじれ」がある。中央で対立している自民党など与党と、野党の民主党などが共同戦線を張って、田中康夫氏に対する不信任案を可決したことだ。しかも、民主党は中央レベルでは、田中氏に対する評価が議員によってまちまち。同党は今回、自主投票とすることを決めたが、一部議員が田中氏支持を明確にしており、事実上の分裂状態だ。

 先月、田中氏支持を執行部に迫った仙谷由人衆院議員は自主投票について「現状維持の発想で、羽田さん(孜特別代表)にも気兼ねしている」と批判。9月の党代表選に名乗りを上げている河村たかし衆院議員は「中央では脱ダムを唱えても、地方で違えば、国民の政治不信を招く」と強調し、長野入りして田中氏の選挙応援に加わる考えだ。民主党は「緑のダム」構想を掲げており、脱ダム宣言の田中氏に共感を抱く議員も少なくない。

 一方、地元の党長野県連の実態は、県内の保守層にも依然、強い影響力を持つ元首相、羽田氏を頂点とする「羽田党」。田中氏に対する不信任決議案提出の原動力となったのは羽田氏直系県議らで作る県議会最大会派「県政会」だった。

 羽田氏の長男、雄一郎参院議員は「田中氏の理念を批判しているわけではない。しかし、県議会や県職員と対立する手法では、長野がダメになる。事情を知らない党中央は口を出すべきではない」と言い切る。

 このため、党幹部の対応は一様に慎重で、鳩山由紀夫代表は14日、羽田氏側近の北澤俊美参院議員(長野選挙区選出)に対し、「我々は自主投票を決めたのだから、選挙にタッチしない方がいい」と忠告したほどだ。

 当の羽田氏は20日まで、スイスでの国際会議に出席するため外遊中。今回の知事選で、公共事業や地方自治のあり方など政策論争が今ひとつ広がらない一因には、すっきりしない民主党のお家事情があると言っていい。 【浜名晋一】

[毎日新聞8月15日] ( 2002-08-15-23:31 )

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地方から公共事業の削減が実現できれば、国の予算を国債や地方債などの債務の返済に回せる余地が生まれます。
 国の政策の国債などの債務の削減になりますので、10年以上の長い低迷期にある日本経済への外国や各付機関からの信頼も増して、反転の契機にしなければならないところでしょう。

 知事選の結果に大いに注目するところでしょう。

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