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「まず結論を先に言うとするならば、米ナスダックにとって『ナスダック・ジャパン(NJ)』を創設するにあたって、手を組んだ相手があまりにも悪すぎた、ということになるだろう。日本進出にあたって孫正義氏という希代の虚業家をパートナーに選んでしまったということが、米ナスダックの最大のミスだ」
金融庁幹部がこう言ってみせる。
昨日(8月14日)付の主要日刊紙は一斉に、米ナスダックの日本撤退を報じた。
改めて説明するまでもないと思うが、ここで言う“米ナスダック”とは、IT・ハイテク株を中心とする米店頭市場ナスダックを運営する「ナスダック・ストック・マーケット」のことを指す。
米ナスダックは、大阪証券取引所との間で結んできた提携関係を全面的に解消し、日本市場から全面撤退する方針を決定した。
この結果、これまで大証に設置されてきた、ベンチャー企業を主たる対象とした株式市場である“NJ”は、消滅することになる。もっとも現時点において“NJ”に上場している98社の株式については、米ナスダックの撤退に合わせて大証が独自に用意する“ジャパン・ニューマーケット”にそのまま移し、その取引は継続する方針だ。
「それにしても不思議でならないのは、これだけの混乱が発生しているにもかかわらず、金融庁がこの問題に関して全くの静観を決め込んでしまったということです。もし金融庁がリーダーシップを発揮していたならば、一時取りざたされたNJとジャスダックの合併・統合も不可能ではなかったはずだ。結局のところ、金融庁が消極的な対応に終始してしまったために、結局はこの構想も雲散霧消してしまったが…。それにしてもなぜ金融庁は、この問題に関して動かなかったのであろうか…」(日本証券業協会幹部)
このコメントに登場する“ジャスダック”とは、日本証券業協会が運営する店頭公開株式マーケットを指し、新興企業株を主な対象としている。
「そもそも監督官庁サイドとしては、強引なヤリ口で上陸を果たした米ナスダックに対して当初から快く思っていなかったし、そもそもはNJと自らの錬金術の道具にしようとした孫正義氏に対して警戒感を持っていた。従って、米ナスダックが日本から撤退を決めたことで、内心はホッとしているのだろう」(大手証券会社役員)
そして今回の一件で浮かび上がってきたのは、ソフトバンクグループの資金的な意味での困窮ぶりだ。
ソフトバンクグループ幹部が言う。
「NJは、もともと孫社長の肝いりで始めたビジネスだ。孫社長直轄のビジネスと言ってもいいだろう。そのビジネスに失敗するということは、孫社長のキャリアを大きく傷付けることになるのは明白だ。NJと大証の間で問題となった“配分金”だって、たかだか年間6−8億円程度にすぎない。今ソフトバンク社内では、『我々の会社はその程度の金も出せないほど困っているのか』という驚きの声が広がっているのが実情です」
孫氏とはかつて親密な関係にあった大手流通会社首脳が言う。
「孫君は、長期的視野に立ったビジネスができない、という欠点を持っている。NJの一件はその典型例だ。いずれもその場限りの発想と行動でしかない。そうした部分を改めない限り、彼と手を組んでビジネスをしようとする大手企業は今後出てこないだろう」
孫氏に関して言うならば、次に焦点となるのは、あおぞら銀行(旧日債銀)の株を巡る問題ということになるだろう。