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17日発表された米防衛関連企業の4−6月期決算は、ノースロップ・グラマンとゼネラル・ダイナミクス(GD)が増益。レイセオンは赤字幅が縮小し、ボーイングは防衛関連部門が増益となった。昨年9月11日の米同時テロ事件を受けて、米政府が国防支出を増やしたことが背景にある。
90年代に国防支出が減少するなかで大型合併を通して統合を進めてきた米防衛産業にとって、テロとの戦いや国家安全保障の強化は追い風。ブッシュ大統領は2003年の国防支出を前年比14%増の3790億ドル(約44兆円)とする方針を示している。ホランド・キャピタル・マネジメントのアナリスト、ゴインズ氏は「国防支出は向こう数年間、増加が続くだろう」と指摘している。
軍艦建造最大手のノースロップの純利益は1億8200万ドル(1株当たり 1.53ドル)と前年同期の1億1400万ドル(同1.28ドル)から60%増加。アナリスト予想の1株利益(1.46ドル)を上回った。売上高は同20%増の43億9000 万ドル(前年同期は36億6000万ドル)だった。同社は軍事衛星に強みを持つTRWの買収を決めており、これが同社を米のミサイル防衛プログラムの最大受注先に押し上げるとアナリストはみている。
米陸軍向けの主要戦車を製造するGDの純利益は2億6300万ドル(1株当たり1.29ドル)と前年同期の2億2700万ドル(同1.12ドル)から16%増加。アナリストは同1.27ドルを予想していた。売上高は同19%増の35億1000万ドル(前年同期は29億6000万ドル)。情報システム部門での売り上げが前年同期比42%増と大きく伸びた半面、造船部門の売上高は同3.4%減だった。ただ、受注残が減少していることを懸念材料に、株価は前日比7.8%安の90.16ドルと昨年10月以来の大幅下落となった。
防衛関連受注で米4位のレイセオンは、損失が1億3600万ドル(1株当たり33セント)と、前年同期の1億8800万ドル(同53セント)から縮小した。
航空機メーカー最大手のボーイングの軍用機・ミサイル部門の利益は前年同期比12%増の4億5800万ドル。宇宙部門の利益は同39%増の1億8100万ドルだった。同社は2002年末までに両部門を統合する計画を明らかにしている。同社全体の純利益は同7.3%減の7億7900万ドル(1株当たり96セント)に落ち込んだ。第2次世界大戦以来最悪の航空旅客需要の低迷で、旅客機の引き渡しが減少したことが響いた。
世界最大の防衛関連企業ロッキード・マーチンは18日に決算を発表する。