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(回答先: 【世界経済を認識する基礎】 “あっしら”的経済概念の説明:「近代経済システム」における保有余剰通貨の“価値”保存方法 《金融資産取引》〈その7〉 投稿者 あっしら 日時 2002 年 7 月 17 日 20:44:03)
数多くのレスをいただきありがとうございます。
レスを書き込まれていない方も、お読みいただきありがとうございます。
本文のタイトルとずらっと並んだレスのタイトルを見て、“金”投資に関する書き込みだろうと思い読んでみたが、なーんだ違うじゃんとがっかりした人もいるのではないかと感じています。
管理通貨制における“金”については、「労働価値」が転化した労働成果財であるが、経済論理的には1回限りもしくは有限回で消えてしまうはずの「労働価値」がほぼ無限回利用されていることから、通貨のような素振りを見せる不思議な財という見方をしています。
そのような財であるからこそ、経済不安のなかで、通貨・預金(貯蓄性商品全般)・債券・株式・土地とならんで、余剰通貨が向かう先として“金”があれこれ取り沙汰されているんだろうと思っています。
本文で書いた内容は、「通貨の価値は資本化されることで維持される」という一点に集約できるものです。
一方、通貨のある部分がこの原則から常に外れて使われているというのが現実の経済社会です。
原則から外れて使われる通貨の量が多くなったりその期間が長くなると、“バブル形成”と“デフレ不況”という両極端の経済事象を生み出すというのが説明したかったことです。
※ “金”の価格について
そう言っていながらおかしな話ですが、簡単に“金”の価格について思っていることを書きます。
“金”の価格は、ダイヤと同じように、他の財と較べて少数者の判断で強い管理が行われています。
管理している人たちが、“金”には、他の財からは超越した、さらに言うと、通貨さえも超越した価値があると信じているのなら、“金”を手元から離して通貨に変えるという取り引きは行わないと思っています。
(“金”は、売却するものではなく、できるだけ安い条件で増やすという志向で“金”の取引を行うということです)
そう思っているのなら、自分たち以外の“金”保有者と通貨保有者の取引さえ成立させておけばいいわけです。(“金”は生存や産業にそれほどの使用価値はありませんから、そのような取引状況で十分です)
価格だけ決めて、実際の取引については高みの見物ということです。そして、通貨を“金”に変えたいという勢いが高まれば“金”の価格を上げていき、“金”を通貨に変えたいという勢いが高まれば“金”の価格を下げていくという管理をするだけです。
逆に、“金”の価格を管理している人たちが、“金”は、他の財や通貨よりも価値が低いと考えているのなら、“金”をできるだけ高値で売却して通貨に変えたいと考えるはずです。
そう思っているのなら、安い価格の段階で、自分たち以外が保有している“金”を買い集め、高値で売却できるように価格をじりじり上昇させつつ、“金”にはすごい価値があるとみんなが信じるような情報操作を行っていくと思います。
この場合は、高くなったところで、“金”価格管理者たちが保有している“金”を売却する(売り抜ける)ことになり、“金”の価格は暴落します。
“金”の価格を管理する人たちの考え方がどちらであっても、その他の人たちが金融商品として“金”に対する選好性を高めれば、金の価格は上昇していきます。
管理者たちが“金”に価値はそれほどないと考えていれば、“金”の価格は大きく上昇した後に暴落することになり、管理者たちが“金”に強い価値観を抱いていれば、“金”の価格は、ある種のパラダイム変換が起きるまで、じりじりと上昇し続けると考えています。(供給量が減りながら購入したいと考える通貨の量が増えるからです)
そして、ある種のパラダイム変換が起きると、“金”の価格は「労働価値」未満の水準まで暴落することになると考えています。(“金”は過去のストックが大量にあるからです)
“金”の価値性について語られてきた内容に強い疑念を持っているので、他の財以上に、このような思惑で価格が変動するものだと思っています。