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日本道路公団(藤井治芳総裁)は十七日、都内で開かれた同公団などの民営化を検討する「道路関係四公団民営化推進委員会」で、高速道路整備計画(九千三百四十二キロ)のうち、未整備区間として残る約二千四百キロの全線建設は事実上、困難とする独自の試算を初めて公表した。これを受け、同推進委の今井敬委員長は同日の記者会見で、同推進委で未整備区間の建設優先順位を採算性を念頭に検討する考えを表明した。同推進委が優先順位付けをすることは、どの未着工路線の建設を凍結するかを決めることになり、自民党の道路族議員らが猛反発するのは必至だ。
試算結果では、未整備区間の完成に必要な事業費二十兆六千億円を確保するには、(1)高速道路の交通量が年0・7%ずつ増加(2)金利の上限が年4%−との結論を示した。
しかし、毎年0・7%交通量増加は、今後の人口減少などを考えると事実上、達成は不可能。金利が年5%まで上がれば、交通量が増えても、事業費は十三兆八千億円しか確保できなくなる。
また、今後の交通量増加がない場合は、年3%の低金利が続いても、事業費は十六兆九千億円しか確保できず、必要な事業費が得られない計算になる。
今井委員長は同日の会見で、こうした未整備区間の取り扱いについて、「公団の立場からいくと、優劣はつけられないという話だったが、われわれの立場からいけば、これについても検討しないといけない」と述べた。
個別路線の建設優先順位の決定をめぐっては、自民、公明、保守の与党三党が最終決定権は国土交通省にあることを文書で確認している。小泉純一郎首相も国会答弁で、「(推進委が)個別路線まで決定するのは無理だろう」と述べ、同推進委は民営化の経営形態や高速道路建設の採算性の基準などを示すにとどまるとの見方を示していた。
今井氏が個別路線の優先順位付けに踏み込む発言をしたことで、同推進委の設置を認めた道路族議員の「条件」が事実上破られたことになる。