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今年4−5月の大統領選挙で極右の根強い浸透が明らかになったフランスで「美しい欧州にアラブ人は不要」「愚かで劣った民族の排除を」などと反アラブ、反イスラムの主張を掲げた米ニューヨーク在住のイタリア人ジャーナリスト、オリアーナ・ファラーチさん(72)の著書「怒りと誇り」が爆発的に売れている。
白人優越主義、米国の軍事・経済力への賛美、排外思想などが主な内容で、人権団体は「差別図書」として販売禁止の仮処分を申請したが、パリの裁判所は却下。発売1カ月後の7月上旬、ノンフィクション部門の全国売り上げトップに躍り出た。
相次ぐ国政選挙で敗退した左派系の知識人は沈黙状態だが、左翼系週刊誌ヌーベル・オプセルバトゥールは「群集心理の危険な変調」と警戒を呼び掛けている。
イランの故ホメイニ師やリビアのカダフィ大佐、中国の故ケ小平氏とインタビューしたことのあるファラーチさんは、約10年前からニューヨークで小説を執筆している。
自宅近くの世界貿易センタービルで起きた昨年9月の米中枢同時テロで「白人としての怒りと誇り」をかき立てられ、久々に長文の記事をイタリアの新聞に発表。これに加筆して昨年、イタリアで本を出版、フランス語訳が発売された。
「穏健派も原理主義もイスラムは等しく『悪』」などと書き、ヌーベル誌は「憎悪のみの恥ずべき書籍」と非難したが、ファラーチさんの弁護士は「誰もが言いたかったことを勇敢に著述した」と擁護している。(共同)