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ドル先安観、緊迫ムード乏しいなか一段の下値余地の可能性も=市場筋[東京16日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 16 日 20:04:26:

外為市場では、米国株低迷に連動する形で、ドルは一段と下値余地を探る状況になりつつある。前日海外市場では、ドル/円が昨年9月の米同時多発テロ事件後安値を更新したほか、ユーロ/ドルは、2000年2月以来でパリティを回復。市場関係者からは、心理的な“フシ”に到達したことで幾分の達成感はあるものの、ドル安というビッグ・ピクチャーは変わらず、とする見方が大勢。当局のドル買い/円売り介入への警戒感は根強いものの、市場には思いのほか緊迫化したムードは漂っていない、との声も挙がっている。
週明けの海外市場では、ダウ工業株30種が一時400ドル以上の下げ幅を記録するなかで、ドルが対主要通貨で一段の下落。ドル/円は、昨年9月20日の海外市場で付けた米テロ事件後安値115.80円を下抜き、一時115.65円まで水準を落としたほか、ユーロ/ドル、も2000年2月以来でパリティ回復を達成。上方への視界をさらに広げた格好となっている。
市場関係者によると、ドル/円は、116円近辺という一段と神経質な水準に達しているが、市場にはそれほど緊迫化したムードは漂っていないようだ、という。
ユーロ/ドルがパリティ回復を果たした後も意外に底堅く推移し、一段の上昇余地も読めるムードとなっているほか、ドル/円についても、“塩川財務相発言”をきっかけに市場で意識されていた米テロ後安値を下抜いたものの、「達成感は得られていない。ドル安地合いが続くなかで、むしろ通過点といったムードすら台頭している。介入警戒の緊迫したムードは感じられない状況」という。
この点に関連して、コメルツ証券ストラテジストの宮島秀直氏は、1)従来からドル/円相場の重要な先行指標であるシカゴ先物市場のドル円・ネット・ロング契約残高の動向、2)為替投資型ヘッジファンドが注目するユーロと円の対ドル上昇スピード調整、3)今後のドルの最大急落要因となりかねないブラジル債務不履行懸念−−の3点に注目。そのうえで、「今年10月までにドル/円は以前に比べてピッチは減速するものの、115円を割り込み、110円前半に接近する可能性が高く、ブラジル大統領選挙の結果次第ではドルの全面安がさらに拡大する公算もある」とみる。
宮島氏によると、「シカゴIMM先物ネット・ロング契約数は、今年4月30日にプラス(円ロング)に転じ5月21日以降はプラス1万枚を越え、今回の円反発が過去10年間に5回起こった相場と同規模に拡大する兆候を示している」ものの、「ドルの対ユーロ下落と対円下落のスピード格差については、5月から6月にかけてみられたようなユーロに対する円の出遅れ感は消滅している」などから、「ユーロがもう一段ドルに対して上昇を続けない限り、円の対ドル上昇ピッチが減速する可能性はある」という。
また、国際証券トレーディング部課長の塩入稔氏は、「欧州サイドによるドル高歓迎姿勢、米国サイドの秩序だったドル安黙認といった構図がベースにある以上、今回のユーロ/ドル、ドル/円などの心理的な“フシ抜け”も、米国を取り巻く環境を踏まえると、ドルの反転材料は見出せない」とする。
5月22日における123円後半水準からの介入開始以来、約8円程度のドル下落を許している状況の下、“塩川財務相発言”を契機に、市場で意識された115円水準に到達したにもかかわらず、当局による市場介入の動きが見られず、「介入に警戒しつつも、警戒感自体は一段と緩んでいるようだ」(都銀)との見方も示されている。
「口先ベースの介入にとどまっており、今ひとつ当局の姿勢がみえず、静観している状況」(都銀)ともされるなか、米株価の一段の先安懸念、米企業会計疑惑問題などを背景に、「足元、ドルを買う材料が見当たらない。依然、ドル安の構図は変わっていない」(信託)点が、ドル全面安のなかドル/円の底値メドが見えにくくなっている、という。
こうしたなかで、当局の介入スタンスについて、「一段と不透明感が広がっており、タイミング・規模なども含めて、次の一手が注目される」(上位都銀)という。
関係者からは、「当局の介入は、ドル売りが出尽くして、ドル・ショートが溜まるまで見送られる可能性もある」(別の上位都銀)との見方ほか、「足元におけるドル安/円高により、一段とドル余剰感が強まっている。実需ベースのドル余剰に加え、資本フロー・ベースのドル余剰をも吸収できるような大規模かつ断続的な介入が実施されないと、足元におけるドル安トレンドは止まらないのではないか」(上位都銀)との指摘も出始めている。「120円、115円と市場に一定の水準を意識させても、その水準が守れないとかえって市場の失望を招くおそれがある。需給の傾きが、介入による効果を十分に発揮する状態となるまで待つのも手だ」(後出の上位都銀)との指摘も出ていた。
さらに、市場では、「ドル全面安のなか、円高にブレーキがかかるか否かは、米国が協調介入に乗り出すタイミング次第」(国際投信投資顧問・経済調査部長の荒武秀至氏)との声も聞かれている。「現状では、協調介入の可能性は小さい」(新光証券・グローバルストラテジストの林秀毅氏)と大方みられているが、「ドル安地合いの進展次第では、その可能性は否定できない」(前出の上位都銀)ともされている。
この点に関連して、荒武氏は、1990年以降に日米協調の円売り・ドル買い介入は18回行われたが、介入規模を見ても日本ほど米国は乗り気ではないとしたうえで、「今回も、米中間選挙と経常赤字の増加を抱え、米国はしぶしぶ協調介入に同意するだろうが、介入水準はとしては、1993年4月27日に行った109.30─112.05円の水準が目安だ」とみる。
ドルを取り巻く環境面は、「シンボリックな米国株に先安観が漂っているように、依然、ベア・ムード」(外銀)とされているが、今晩のグリーンスパンFRB議長の議会証言、今週以降本格化する米4─6月期決算発表、8月中旬に向けた米企業会計疑惑問題の収束状況などを手掛かりに、足元におけるドル安・モメンタムがどのタイミングでアク抜けしてくるかどうかがポイントとなってきそうだ、とみられている。

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