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日本道路公団など18の特殊法人が、「財投機関債」発行で2001年度に調達した資金総額は、予定額を約1割下回り、総額約1兆円にとどまったことが15日、明らかになった。高速道路計画見直し問題などの影響で、道路公団などが予定額を大きく下回ったのが主因だ。2002年度は、政府系金融機関などによる新規発行や調達の増額で、財投機関債計画が24機関、総額2兆7000億円に膨らむが、秋以降は特殊法人改革が本格化する見通しであるため、2002年度も資金調達が困難になるケースが出てきそうだ。(山本 正実)
2001年度は1兆1058億円の予定額に対し、発行実績は1兆4億円と1000億円余り不足した。道路公団、都市基盤整備公団、農林漁業金融公庫の3機関が予定額に達せず、首都高速道路公団と電源開発は発行(予定は各100億円)そのものを断念した。
特に、道路公団の“未達成額”が大きく、1500億円を計画していたが、2月に650億円を発行した後、買い手がつかないとの懸念が強まり、残額の発行を見送った。昨年末の特殊法人等整理合理化計画決定により、金融機関など機関投資家の間に、道路公団存続への不安が高まったのが要因とみられる。
2002年度は、国民生活金融公庫や中小企業金融公庫がともに2000億円の新規発行を計画し、住宅金融公庫は調達額を前年度の3倍の6000億円に増額する予定など、政府系金融機関を中心に発行額が膨らむ。目標に達しなかった道路公団も、前年度計画の3倍近い4000億円を計画している。
特殊法人改革は今秋以降、経済財政諮問会議で政府系金融機関に関する本格討議が始まり、年末までに結論を出す。道路公団も改革のための第3者機関の人選が終わるなど、今後検討が本格化する。
機関投資家の中には、「国が特殊法人に資金を流す実態は変わっていない」(中堅生保)と積極的な買い入れを予定するところも一部にある。しかし、「改革の道筋が見えるまで慎重に」(大手生保)と、当面、様子見する動きも強まっており、市場は将来の見通しが不確定な特殊法人について、選別姿勢を強めていくと見られる。
財投機関債は、昨年4月の財政投融資改革で導入された。特殊法人が政府保証をつけない財投機関債を自らの信用で発行し、直接資金調達する。郵便貯金などを原資とする財政投融資制度が、特殊法人の“放漫経営”を招いたとの批判から、経営効率化につなげるのが狙いだ。
(7月15日21:52)