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遺産相続などで自宅や貸金庫にしまわれていた株券が動き始めた。証券税制が2003年から改正され、今年中に売却すれば節税メリットが享受できるケースが多いためだ。
「これ、どうすればいいでしょうか」−。今月初旬、都内の大手証券支店に男性客が持ち込んだ株券の時価は数億円。「たんす株」と言われるこうした株券は、時価総額が約40兆円と推計されている。
大手証券は他の銘柄や投資信託などへの買い替えを提案する営業を展開。これまで証券会社に縁がなかった富裕層を取り込もうと、ホットな「夏の陣」を繰り広げている。
株式譲渡益への課税はこれまで源泉徴収と申告の選択制で、売却額の1.05%分で済む源泉方式が有利だった。しかし03年1月から、売却益に20%課税する申告制に一本化。申告では売却益を確定させる必要があるため、取得額を特定しなければならない。
証券会社に取引記録が残っていれば問題ないが、相続などで取得額が特定できない場合、01年10月1日の終値の80%が取得額とみなされる。
しかし01年10月当時は米中枢同時テロ後の安値相場だったため、その後の株価次第で納税額が膨らむケースが多くなる。そこで売却額の1.05%の納税で収まる年内に、いったん売り払っておく方が得との判断が広がっている。
運用の考え方や銘柄の違いにより、個別にはいろいろな対応が考えられるが、同じ株券を持ち続けようという人も「売った後すぐ買い戻して取得額を特定するケースが多い」(大手証券)という。
300人の専用スタッフを全国支店に配置した日興コーディアル証券は「月末の全店一斉セミナーなどを通じ、サービスを強化したい」としている。