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三井住友、見えない持株会社化〜経営哲学を180度転換〔株ZAKZAK2002/7/15〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 15 日 18:38:19:

「仮に生保や損保、あるいは信託銀行といった“他業界”が合流することなしに三井住友銀行に対して、持ち株会社の設立を認めるならば、その設立基準に関して金融庁は明らかなダブルスタンダードを設けることになる。今後、この一件についての金融庁の出方は要注目だ」
大手銀行役員がこう言ってみせる。
先週末の金曜日(7月12日)、大手日刊紙を中心とする主要メディアは一斉に三井住友銀行の持ち株会社設立構想に関するニュースを報じた。
この一件に関しては当コラムでも同日発売(7月13日付)の本紙で、「三井住友銀持ち株会社報道 金融庁リーク? 当事者は否定」とタイトルされた記事を掲載させていただいた。
いずれにしても、三井住友銀行が持ち株会社の設立に向けて、その検討を開始したことは間違いない。
そもそも三井住友銀行は、他の大手金融グループが経営統合を進めていく上で、金融持ち株会社を設立したのと完全に一線をかくし、唯一「単純合併方式」を選択した銀行だ。
この件に関して、同行の西川善文頭取はかつて筆者にこう言ったことがある。
「旧住友銀行時代に−−97年ごろ、われわれとしても“金融持ち株会社”の是非について検討したことがある。しかし、その時に出た結論は、『日本の金融風土では、シティバンクタイプの“持ち株会社”はなじまない−−』というものだった。従って、旧住友銀行と旧さくら銀行が経営統合を図るにあたっては、合併方式を選択したのだ」
そもそも、旧住友銀行と旧さくら銀行が経営統合に合意し、実務責任者がまずはじめに着手した作業というのが、“統合形態”をどのような形にするかという一件に関する検討だった。
「その結果、新銀行−−つまり三井住友銀行については、持ち株会社方式ではなく、合併方式をとることにする、ということを機関決定したのです」(旧さくら銀行経営中枢幹部)
こうした経緯から判断すると、今回、三井住友銀行が持ち株会社の設立の検討に着手したということは、その経営方針を−−というよりもむしろ同行の経営哲学を180度変えた、ということに他ならない。
それでは、三井住友銀行がここへきてそうした重大な“変心”を決断した最大の理由は何なのであろうか。
「一言で言ってしまえば、グループ関連企業の問題でしょう。現段階において関連企業の中には、三井住友銀行のバックアップを間違いなく必要としているところがある……」(三井住友銀行関係者)
この問題に関してはスペースの都合上、これ以上の言及は避ける。
とはいえ、実際問題として三井住友グループ企業が完全に持ち株会社に収まることができるのは、事実上2004年4月になってからだ。
「つまりそれまでの間、三井住友銀行は、自行とカード会社やリース会社といった関連、関係会社だけを構成メンバーとする形で、持ち株会社を走らせなくてはならない。しかし金融庁はこれまで、そうした形の“持ち株会社”の設立については認めて来なかった。その最たる例は、旧あさひ銀行だろう。旧あさひ銀行は、その種の持ち株会社の設立が金融庁から認められずに、やむなく大和銀行グループとの合流を決断した経緯がある」(大手銀行役員)
さて、金融庁はどのような判断を下すのだろうか。

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