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郵政事業庁が改組されて来年4月に発足する日本郵政公社が、日本銀行に当座預金口座を設置し、郵便貯金が日銀ネットに接続することで、総務省と日銀が基本合意した。郵政公社は民間金融機関と同様に日銀に準備預金を置くことが求められ、日銀考査も受けることになるなど、郵貯資金が日銀の金融操作の対象になる。一方、公社は民間金融機関との資金決済が即時にできるようになり、郵便局ネットワークが民間の決済網と接続して利用者のサービスが向上する基盤も整う。
郵政公社に移行した後、公社と日銀が正式に契約を結び、準備預金や考査のルール、日銀の決済システム「日銀ネット」との接続方法などの詳細を決める。日銀に設ける当座預金の規模は最大で数兆円になる見込みで、金融機関のなかでは最大になる。
郵政事業の肥大化を批判してきた日銀が郵政公社のネット接続を受け入れるのは、「公社移行後、郵貯資金が市場で不安定な取引をしたら撹乱(かくらん)要因になる」との市場関係者の懸念に応えるためだ。
郵便貯金、簡易保険の総額360兆円の資金を動かす公社は、金融市場で巨大な機関投資家となる。このため、他の民間金融機関と同様に中央銀行の金融操作の影響を公社にも及ぼし、考査の対象とすることで市場を安定させる。
公社は金融庁の検査も受けることになっており、民間金融機関と同じく、金融庁と日銀双方のチェックを受けることになる。
総務省は今後、郵政公社が金融機関同士の資金を融通し合う短期コール市場での運用もできるようにし、安定した資金運用ができるようにする方針だ。
国の事業として郵政の最終的な資金繰りを担ってきた財務省も、財政の制約要因を解く意味から、公社資金の国庫金からの切り離しに同意した。郵貯の定額貯金の大量満期のピークを迎えた昨夏、財務省は大量引き出しに備えて、日銀に預ける政府預金などの国庫金残高を40兆円超に引き上げることを迫られたことなどを配慮した。今後、こうしたケースには公社自らが対応することになる。
一方、郵政事業庁は現在、銀行や信用金庫、信販会社など約2000社と現金自動預入払出機(ATM)の相互接続と、35社と相互送金提携を個別に結んでいるが、資金決済のため、毎日、日銀に小切手を運んでいる。
公社が日銀ネットに接続することで、支払いと受け取りが即時決済され、小切手の運搬は必要なくなり、決済事務は大幅に簡素化される。このため、郵貯と提携する民間金融機関がさらに増えることも予想される。(14:35)