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(回答先: Re: 薬の認可は厚労省の巨大利権。相手は製薬会社。日医はいささか無力。 投稿者 極楽とんぼ 日時 2002 年 7 月 12 日 12:47:06)
日医を擁護するためでなく、真の敵を見失わないために書いています。私も日医は好きでありませんが、実際日医は無力です。
最近の医療費に占める薬剤費率は23%だそうです。
ご指摘の通り、毎年少しずつ薬剤費率は低下していますが、それでも他の国よりは高いのが現状です。
また、日本の特徴は薬剤費に占める新薬の比率が極めて高いことと、新薬の薬価がまだ他の国より数倍高いことです。新薬の比率は約50%に及びますが、例えばドイツはわずか10%です。
新薬を使うのは良い事と誤解なさるかも知れませんが、ほとんどの疾患は、薬価も安く副作用も良くわかった、こなれた薬で治療することが出来、そのほうが安全です。このような薬をエッセンシャルドラッグと呼びます。
ー以下引用ー
http://npojip.org/jip_menu/jindex.htm
http://npojip.org/newspaper/hodanren/057.htm
日本でもエッセンシャルドラッグの考えは重要
エッセンシャルドラッグのコンセプトは、もともと開発途上国向けに一九七六年にWHOが打ち出したもの。限りある医療資源と資金(国民医療費)で国民の健康を守るには、最小の出費で最大の効果を上げるため優先的に使用すべき「基本医薬品」をよく吟味して決めておく必要があったからだ。
薬価国際比較で証明したように、「高価な新薬=よい薬」ではない。薬剤に関する限り、世界的な評価を得たものはたいてい十年以上経っている。だから、エッセンシャルドラッグは決して開発途上国向けだけではなく、日本も含めて世界の医療に本当に必要不可欠な医薬品を考えるうえで重要だ。第八回報告(一九九七年)では、工業先進国でもこのリストが重要であることを指摘している。
厳選されることの利点・・知識と情報の信頼性
日本には現在、商品名で17,000種類、成分数で約2,000種余りが販売され、毎年30〜50種類の全く新しい成分が承認されている。たくさんの新薬を使いこなすための知識を身につけるのは至難の技だ。
このリストに載っている薬剤は約300種類。薬理学的にも基本となる薬剤ばかりだ。以前からよく研究され、良質であることが確かめられ、医師が使用する際に身につけておくべき知識や情報が副作用も含めて豊富である。まず厳選された必須薬から徹底的に身につけておくべきだ。患者さんにも説明がしやすく、副作用や害が生じた時にも早く気づきやすく、適切な対処がとりやすい。
数が少ないので流通管理上も利点があり、学生や研修医、再教育にも基本となる。日本のローカルドラッグは世界に通用しないが、このリストの薬剤は世界中が優先的に採用し、世界共通の一般名で書かれているので世界的に通用する。
厳選された必須薬で医療の品質向上を
エッセンシャルドラッグリストに掲載されていないが必須と考えるべき薬は多少ある。しかし、たいていはこのリストの薬で十分治療できる。
最大の利点は医学的に価値の高いよい薬が安価だと言う点である。安価な薬を優先して使うということは医師にとってもメリットがある。薬剤費の約半分を新薬に使っている現在の処方を、ドイツ並みの10%程度に抑えるだけで、3〜4兆円が節約でき、医療技術料に振り向けることができる。
ー引用終りー
しかし、このエッセンシャルドラッグリストに載っているのに日本では認可されていない薬も少なくありません。薬価が安く製薬会社の利益が少ないと審査請求も行わないからです。