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「秋の臨時国会では“ペイオフ全面解禁の延長問題”が焦点になってくることは間違いない」
自民党議員がこう言ってみせる。
「党内では、デフレ対策特命委員会を中心に『平成15年4月1日のペイオフ全面解禁は見送るべき』との考えでまとまりつつある。“ペイオフ延長”を実現するため、国会に議員立法の形で法案を提出すべく準備を整えているところだ」
自民党側がこうした動きを見せる一方、金融庁など政府は「完全解禁は100%、スケジュール通り進める。延期は念頭にない」(官邸筋)との考えで一致している。
こうした状況から、今後、議論は、政府vs自民党という全面対決で進められていくことになるとみていいだろう。
昨10日、金融庁は地域金融機関を対象とする合併促進案を発表した。この案は法案としての体裁が整えられ、秋の国会に提出される予定だ。こうした金融庁サイドの動きは、前述した自民党サイドの動きに対する対抗措置とみていいだろう。
「金融庁は地域金融機関合併を『組織再編や経営陣交代のきっかけになり、金融機関の収益性と健全性を強化する有力な手段となる』と位置づけている」(同庁幹部)
金融庁は、法案の中に合併金融機関の預金保護額の引き上げ、公的資金による資本増資などを盛り込む方針だ。
金融庁幹部は「庁内部では『厳しい状況に置かれた財政面からも、これ以上の破綻コストは容認できない』とする意見が大勢を占めつつあります。こうした状況になったのも、財務省からの強いプレッシャーも影響していると言っていい」。
このコメントからも明らかなように、4月の“ペイオフ部分解禁”以降、金融庁の方針は180度大きく転換したとみていいだろう。
「つまり、“破綻なき整理”という行政手法が主体となってくるということ。今後、金融庁としては金融機関の存続を重視していくということです」(金融庁幹部)
この幹部コメントは重要だ。意味するところは「今後、多少問題のある金融機関でも破綻させない」ということ。
「これまでの金融庁の行政手法から考えると、180度方針を転換させたといえる。驚きだ」(大手都銀幹部)
とはいえ、「破綻をさせない」とは、事実上の“ペイオフ凍結”。
「本当に金融庁が方針転換をするのであれば、壮大なモラルハザード(倫理観の欠如)が発生する可能性が高い。金融庁はそこまで考えているのだろうか」(同)
金融庁の“合併促進案”は、事実上の“ペイオフ凍結案”と見ておくべきで、その行方は要注目である。