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ダウ今年最大の下げ、日本景気にも大打撃〜テロやブラックマンデー時より事態は深刻〔株ZAKZAK〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 11 日 16:55:24:

10日の米国株式市場は、ダウ工業株30種平均が今年最大の下げを記録、昨年10月の米中枢同時テロ後以来の9000ドル割れ(終値ベース)となった。企業の不正会計に端を発した株安とドル安(円高)は、日本の景気回復にも大打撃となる危険性もある。市場関係者からは「テロや(1987年の)ブラックマンデーよりも事態は深刻」との声が上がっている。
「企業犯罪に対するSWAT(特殊任務警察部隊)チームが、悪徳経営者を調査し、代償を払わせる」
9日、ブッシュ大統領はウォール街に乗り込んで勇ましい演説を行ったが、熱狂的な支持を集めた昨年9月のテロの時と違い、市場は反応しなかった。
そして10日、ダウ工業株30種平均株価は、282.59ドル安の8813.50ドルと終値では昨年10月2日以来の9000ドル割れ。2000年には5000ポイントを上回っていたハイテク株中心のナスダック総合指数も1346.01と1997年の水準に逆戻りした。
テロ発生後も株価はいったん急落したのだが、このときは、外敵に対して国中が団結し、株安も一過性にとどまった。今回の問題の根が深いのは、米国の繁栄を支え、「グローバルスタンダード」を標榜していた企業会計や株式市場そのものが“上げ底”だったことが明らかになったことだ。
昨年のエネルギー大手「エンロン」の破綻をきっかけに、通信大手のワールドコム、マイクロソフト、ゼロックス、Kマートなど大手企業で不正会計処理や業績水増しが次々に明るみに出た。こうしたことをきっかけに株安が進み米国の消費者心理が冷え込み、世界を不況のドン底に引き入れる流れになるというのだ。
米国経済への不信感が高まることで、「海外収支の赤字などマクロの問題が改めてクローズアップされ、歯止めがきかなくなる恐れもある。下手をするとバブル後の日本のように『失われた10年』の始まりとなりかねない」(三菱総合研究所主席研究員の浜矩子氏)という。
さらに、為替市場でも米国売り傾向が強まり、1ドル=117円台まで円高ドル安が進んだ。
日本の輸出企業が想定している為替レートは1ドル=120−130円のレンジが大半。円高が1円進むと自動車大手で100億−200億円、家電大手も数十億円の減益となるとの試算もあり、企業業績のV字回復シナリオも頓挫しかねない。自動車など好調な米国向け輸出を中心とする外需依存の「景気底入れ」は、アッというまに「底割れ」に転じる懸念が強まったといえる。
日本株については公的年金の買い支え期待もあって底堅さを見せ、「米国離れが進んでいる」(大手証券)との見方もある。しかし、マクドナルドの再値下げに象徴されるように国内の消費低迷やデフレは続いており、頼みの輸出がコケると、「景気は来年早々にも腰折れし、それを見越して株価も下落する」(準大手証券エコノミスト)。
エンロン破綻の際、同社の債券を組み込んでいたMMFが元本割れするなど、日本の金融市場にも大きな打撃を与えた。新たに米国の大企業が破綻するようなことがあれば、思わぬ余波を起こしかねない。
米証券取引監視委員会(SEC)は全米の大企業約1000社に対し、8月15日までに年次報告の正確性と完全性を証明するよう求めており、提出期限までに業績下方修正が相次ぐことも考えられる。
「ブラックマンデーの際は、日本経済が歯止めになった。現在は日本はもちろん、欧州にも支えるゆとりはない」と前出の浜氏。日本経済の“薄日”も、米国発のハリケーンに吹き飛ばされてしまうのか。

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