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円高と米国株安が急加速している。1ドル=117円台に乗せても円買いドル売りは止まる気配が無い。米国から日本への資金流入期待を根拠に、日本株の強気を唱えるリポートが少なくないが、多くの市場関係者は眉にツバして読み流す一方、業績下方修正に向けて持ち株の処分を急いでいる。
●「米株安で日本に資金移動」の幻想
「米国株の下落が進めば、日本に資金が移動する」。上場証券の個人向け情報レターの中に、こうした予想が散見されるが、結論から言うと幻想に過ぎない。むしろ、「米国市場で損を出してリスク許容量をオーバーした海外投資家の中には、日本株を手放す動きもある」(米系証券)という。
ハイテク指数の異名を持つ日経平均株価はもとより、東証株価指数(TOPIX)も電機、通信、自動車など米国株に連動しやすく円高に弱い銘柄の比重が高い。このため、米株安〜円高は日本株の悪材料以外の何物でもない。
今年1〜6月を通算すると、銀行と保険会社が合計1兆7000億円売り越し、外国人がほぼ同額を買っている。銀行が持ち合い解消売りを急いだり、ヘッジファンドが大暴れしなくても、外国人の買いが鈍るだけで東京市場の需給バランスは大きく崩れてしまう。
●有力外資リポートも外れ
米系の有力証券が6月中旬、これ以上の円高はないとしてハイテク株の組み入れ比率引き上げを勧めるリポートをまとめ、意外感とともに市場に広がった。が、皮肉にもその日夕方から円が急騰、見事な外れっぷりを見せた。リポートは、半導体市況の改善傾向と株式市場での極端な悲観ムードを指摘。円高懸念の払拭には、国内機関投資家の外債購入に伴う円売りドル買い需要を挙げたが、ある保険会社の若手は「はぁ?」と鼻で笑った。
●3月期末が分水嶺
「平均株価が1万1000円に接近すると、次から次へと売り注文が舞い込んできた」。国内証券の金融法人担当者が語る。3月期末の日経平均株価が1万1024円なので、損が小さいうちに売り急ぐ姿勢が伝わってくるエピソードでもある。今後、円高の打撃が鮮明になれば、V字回復のシナリオが崩れ、売り希望レートが下がるのは必至だ。
国際優良株として知られる富士写真フィルム<4901>に投げ売りが殺到し、年初来安値を更新した。売り手は内外の機関投資家と先回りを狙ったディーラーだった。売り材料は1ドル=130円の想定為替レート。投資家は業績下方修正の確かな足音を聞き取っている。
(半沢 昭悟)
・NY安に怯えるな!〜日本株攻略「3つの切り口」
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/11/20020711095011_34.shtml
・“官製相場”再び〜早過ぎる買支えに不安も
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/08/20020708113511_21.shtml