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「我々としては、金融庁が大手銀行に対してその系列証券会社との間で“間貸し方式”が解禁されるのであれば、共同店舗の開設を解禁する方針を打ち出したことを大いに歓迎したい。この“間貸し方式”が解禁されるのであれば、我々としてはすぐにでも共同店舗の開設に踏み切るだろう」
大手都銀首脳がこう言ってみせる。
「金融庁としては、銀行とその系列証券との間の店舗規制を年内にも緩和し、銀行と証券の共同店舗の開設を認める方針だ。この“規制緩和”が実現したならば、顧客は一つの店舗で従来銀行が取り扱ってきた金融商品やサービスに加えて、株式の売買を含む全ての証券サービスが受けられることになるだろう」
金融庁が想定するこうした“規制緩和”が実現した際には、一部大手都銀の水面下の動きから判断して、銀行と証券会社の融合が一気に進展しそうな気配が濃厚だ。
個別銀行の動きをウオッチする前に、この“規制緩和”の意味するところを説明しておくことにしよう。
現在、銀行が店舗の新設、閉鎖をするにあたっては、金融庁への届け出−それに対する承認を必要としている。
「とはいえ、店舗の出店、閉鎖に関しては原則的に自由化されていると言っていいでしょう」(金融庁)
ただし、親子関係にある銀行と証券会社が同じ建物あるいは同じフロアに共同店舗を設ける場合には、その店舗間に明確な仕切りを設置しなければならない、あるいは出入り口は別にするなどの規制が残っているのが実情だ。
「今回の“規制緩和”ではこうした店舗設置上の“規制”を全て廃止しようということなのです。最終的には銀行と証券の共同ATMの設置も認める方針です」(前述の金融庁幹部)
そもそも銀行の窓口では1998年12月以降、投資信託、ETF(株価指数連動型投信)などの販売が順次認められてきた。さらに今年10月1日からは、生保版投信とも言える個人年金保険などの生保商品の窓口販売(窓販)も解禁される。
つまり今回の“規制緩和”もこうした一連の流れにそったものだと言っていいだろう。
「とはいえ、銀行の窓口で個別株式銘柄の売買を取り扱うことは、あまりにもリスキーだし馴染まないだろう。そもそも銀行側もそこまで踏み込むつもりもないようだ。そうした意味において、仮に株の窓販を解禁したところで、実効性は持たないであろう。従って、間貸し解禁というスタイルは、ベストチョイスと言っていいのではないか−」(金融庁幹部)
そしてこうした銀行・証券の“共同店舗”に対して積極的なスタンスを打ち出しているのが、UFJ銀行と東京三菱銀行だ。
UFJ銀行は系列証券会社としてUFJつばさ証券を、東京三菱銀行については三菱証券(今年10月設立予定)という有力な“手駒”を各々抱えている。
「規模そして経営のクオリティの面から言って、その証券2社は、もうすでに野村、大和、日興に次ぐ存在になりつつあるのが実情です。そうしたことから考えて今回の“規制緩和”は、証券業界に相当大きなインパクトを持つことは必至でしょう。恐らく相当数の既存の証券会社は陶汰されることになるのではないか」(大手都銀役員)
こうした状況から考えても、この“規制緩和”の行方には間違いなく要注目だといえよう。