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☆米国株サマリー・ディフェンシブも総崩れ 大統領演説は効果薄
NAA 7125 : 2002/07/10 水曜日 07:12
【NQNニューヨーク=小山文】9日の米国株式相場は続落した。企業統治の
強化策を示したブッシュ米大統領の演説も投資家心理の好転にはつなが
らず、会計不信の根深さを改めて映した。優良大型企業の収益を巡る悪
材料も相次ぎ、午後の下げに歯止めがかからなかった。薬品や食品など
いわゆるディフェンシブ銘柄まで下げが目立ち、資金の行き場が見当た
らない。
ブッシュ大統領演説は9日午前、ニューヨークで演説し、詐欺行為が
あった経営者の禁固刑を最長10年に延ばし、不正摘発を目的とした新組
織を発足させると述べた。米証券取引委員会(SEC)の権限拡大や増
員も含まれる。演説に前後して株式相場が小幅高となったが、まもなく
じりじりと売りが優勢になった。バリューライン・アセット・マネジメ
ントの最高投資責任者、フィリップ・オーランド氏は「ブッシュ大統領
が演説で述べた正論の実現見通しについて投資家の懐疑的な見方が多か
ったのだろう」と指摘する。
共和党政権が、規制の厳格化に伴う企業への負担増加や景気への悪影
響に配慮した結果、対策が遅れたとの見方もあり、11月の中間選挙を控
え、民主党の格好の攻撃対象となる公算は高い。また、ブッシュ大統領
自身の12年前の株式売却に不正な点があったのではという見方が話題に
なっている。オーランド氏は「米議会で党派色を強める兆しがあるため
、法案成立に必要以上に時間がかかる恐れがあると市場で受け止められ
た」とみていた。
一方、会計不信だけでなく、企業収益の悪材料に敏感な側面も消えて
いない。午後は、ゼネラル・エレクトリック(GE)が収益予想を下方
修正するなどといったうわさが流れ、売りが加速する一因となった。ダ
ウ工業株30種平均の構成銘柄で上昇したのはマイクロソフト(0.55%高
)のみだ。主力薬の副作用が指摘されたワイス(旧アメリカン・ホーム
・プロダクツ)が商いを伴って24%超下げるなど、S&P500種株価指
数ではヘルスケア指数の下落率が最も大きかった。販売会社の決算を受
けて売られた飲料大手のペプシコなど食品銘柄の下げも目立つ。資金が
退避するのに適したセクターもなく相場の手詰まり感が強まっている。
☆今日の株式・米国株安で売り先行か 押し目買いで下値も限定
NAA 7148 : 2002/07/10 水曜日 07:54
【NQN】10日の東京株式市場で日経平均株価はもみ合いか。ブッシュ
米大統領による企業の不正行為への包括的対策の表明にもかかわらず、
企業会計への不信感は収まらず、9日の米国株式相場は大幅に下落した
。これを受けて朝方は売りが先行しそうだ。ただ、政府は11日公表の7
月の月例経済報告で景気判断を上方修正する見通し。国内景気の回復を
手がかりに投資家の押し目買い意欲は強いため、下値も限定的だろう。
9日の米国市場では、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数とも
大幅に下落。企業収益の先行きに対する懸念が強かった。注目されたブ
ッシュ大統領の演説は、不正会計など企業の不正行為防止に向けた包括
的な対策を表明したが、即効性を疑問視する声が多く反応は薄かった。
メリルリンチが半導体製造装置13社の投資判断を一斉に引き下げたこと
でハイテク株も下げ、相場の地合いが悪化した。
米国株安を受け、9日のシカゴ市場では日経平均先物9月物は、大証
の終値を140円下回った。日本株の米預託証券(ADR)市場でも、京
セラ、ソニー、ホンダなどの主力株が円換算で東証終値を下回っている
。米国市場で一時1ドル=117円台まで円高が進んだことも、輸出関連株
を中心に投資家の買い手控えを加速し、10日の日本市場では、先物、現
物とも売りが先行しそうだ。
ただ、市場の底辺には景気回復を織り込む動きが続いている。5月の
機械受注統計は、設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需(季
節調整値)は前月比で0.2%の増加と2カ月連続のプラス。9日の東京
市場では、内需関連を中心に20銘柄が年初来高値を更新するなど、個別
物色の動きも強まり始めた。朝方の売りが一巡すれば先物に買い戻しが
入り、現物への裁定買いを誘いながら再び1万1000円の大台を試す動き
になる可能性も否定はできない。
個別では、米国での生産能力を増強すると発表したホンダのほか、ド
イツ証券のリポートなどをきっかけに安値更新が続いているオリックス
が注目されそう。また、きょうはビール大手5社の1―6月のビール・
発泡酒出荷が公表される予定。(稲留正英)
☆米国外為サマリー・円、117円台 介入警戒もドル安基調不変
NAA 7150 : 2002/07/10 水曜日 07:55
【NQNニューヨーク=遠藤大義】9日のニューヨーク外国為替市場で円相場
は続伸。一時、1ドル=117円72銭と2001年9月下旬以来の円高水準を付
けた。米国企業に対する会計不信や米国株相場の低迷が背景。日本の金
融当局による円売り介入への警戒感もあるが、米国側の売り材料に敏感
なドル安基調に変化はうかがえない。
ブッシュ大統領がニューヨークで演説し、企業の不正行為防止に向け
た包括的な対策を表明した。しかし、その後に米国株相場は下げ幅を広
げ、ドルも売られた。「大統領演説が米国株の下落を抑えドルを下支え
する切り札にはならなかった」(外為トレーダー)ようだ。IDEAグ
ローバルの為替アナリスト、アンドリュー・デラノ氏は「米国株相場は
企業会計問題などのリスクを織り込んだうえで居心地の良い水準を探っ
ている最中で、短期的にドルは米国株相場の影響を受けやすい」という
。
円はドルに対して上昇する一方、対ユーロでは1ユーロ=117円台前半と
小幅安になった。シティバンクのグローバル為替ストラテジスト、ロバ
ート・シンチ氏は「円の対ユーロ相場が1ユーロ=117円より円高で定着し
てくれば、ドル安ではなく円高への変化と言えるが、円・ユーロ相場が
安定しているのでドル安との認識を変えていない」という。
ドル安の下では円売り介入の効果も薄められそうだ。介入を呼び水に
して日本の機関投資家の外国証券投資が活発になる兆しがうかがえない
のが一因。介入に絡んで市場関係者が注目するのは日銀の金融政策で、
シンチ氏は「昨年9月の米同時テロ後のように円売り介入で供給した資
金も利用して潤沢に供給すれば円高抑止力がある」と話すが、「日銀が
当座預金残高を増やす可能性は低そうだ」ともいう。
こうした環境下でドル安の抑止力になりそうなのは、前週のような持
ち高調整ぐらいかもしれない。シカゴ通貨先物市場の投機筋の建玉をみ
ると、直近の2日時点で円は介入警戒感もあって9046枚の買い越しにと
どまったが、ユーロは2万4395枚の買い越しで依然高水準だ。「ユーロ
は買い持ちを一段と増やしづらく、ユーロ相場の一本調子の上昇を抑え
そうだ」(シンチ氏)との見方がある。