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地域金融機関の自己資本充実のために公的資金導入や合併などにおける規制緩和を検討する―。金融庁が明日10日夜に発表する予定の「地域金融機関の再編促進策素案」が明らかになった。2003年4月の普通預金へのペイオフ制度導入を控え、金融庁は「今後数年間は国内金融機関にとって収益性や健全性のさらなる強化に向けた重要な時期」とし、地方の中小金融機関へはあらゆる対策を講ずることを素案に盛り込む見通しとなった。公的資金投入や規制緩和までも視野に入れているようで、日本の金融大不安を起こさないよう最大限に努める考えだ。
●固有制度までも制約は最小限に
素案は、今年4月に金融庁がまとめた「金融システム安定化追加施策」を受けて作成された。それによると(1)自らの判断と責任で金融機関を選択する預金者からの信頼が得られる(2)審査能力とリスク管理能力の向上、収益性や健全性の強化が不可欠(3)合併などのメリットが得られ易い地域機関を中心に支援施策を講ずる―を前提とした。
これをベースに、合併において法律上の制約となっている部分を規制緩和の観点から見直し、処分未済持ち分の取扱など協同組織金融機関にある固有の制度についても制約は必要最小限のものとなるように設定する。
●“時限的な特例措置”〜ペイオフ制度も一部「緩和」?
また、自己資本充実のために事実上の公的資金導入を検討する方向であるほか、ペイオフ制度対策についても、一定期間に限って保護の上限を引き上げるといったケースを検討していく。例えば顧客が1000万円ずつを2金融機関に預金している場合、現状の制度であればその2機関が合併した時は1000万円しか保護対象にならない。これらはあくまでも「時限的な特例措置」としているものの、実際には“半永久的”の意味合いが強くなっていくものとみられる。
さらに支援措置の内容に応じて合併などを行う当事者である金融機関が、経営の状況を向上させることなどについてコミットすることも含まれた。つまり、当局の一方的ないわゆる“指導”的な側面だけでなく、当事者が最大限の自助努力を進めてメリットを出す方向で進むよう、素案には盛り込まれる。
金融庁は今後、関係省庁などと話し合ってこの素案を詰めていく予定。政府としてはこれまでことあるごとに「実施しない」と明言してきた公的資金の投入や、規制緩和としての制度見直しなどといった“ウルトラCの離れ業”も、ニュアンスを変えながら盛り込んでおり、多方面にインパクトを与えることになりそうだ。
(東山恵 市川徹)
・金融庁「金融システム安定化追加施策」全容が明らかに〜地銀再編促進や融資厳格化
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/11/20020411115008_73.shtml
・「金融再生最前線」〜G7で財務相が“危機回避”宣言する?!
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/08/20020408155505_07.shtml