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ブラジルとアルゼンチンの相違点
4月より下落しているブラジルレアルと債券ですが、S&P Moody‘s が格付けを下げだと、言っているので、それはそれで、現実として受け止めなくてはいけません。
ただ、相違点が幾つかあるので、10月大統領選後即デフォルトと短絡的思考にならないように注意します。
1. ブラジル経済は、まがいなりにも回復期にありアルゼンチンの底なし不況ほどの状況ではない。ブラジルのGDP成長率は、2001年1.5%02年2.2%03年3.5%と緩やかに拡大。アルゼンチンは、主要貿易相手国のブラジル(貿易量の3割)が通貨きり下げをした99年よりカレンシーボード制にこだわりマイナス成長。(IMF統計に文句のある人は、私に言わないでください、米国の経済失速がまだ、加味されてないと思われる、しかし統計上経済回復期なのですから)
2. 変動為替なので、アルゼンチンより為替で外的ショックもある程度吸収できる。
3. IMF支援が明確。6/18IMFは100億ドルの融資を認めた。財政2法によりIMFの合意を上回るペースで財政改善している。アルゼンチンは、再三にわたって目標達成できてない。アルゼンチンの場合米ドルへのリンクにこだわったが故の自業自得とIMFは判断したが、ブラジルの場合は影響が大きいと支援の姿勢が明確。
4. 意外に低い対外債務。ブラジルもアルゼンチンのGDBに占める公的部門債務は、日本と同じく5割を超える。アルゼンチンは7割を外国資金に依存しているが、ブラジルは8割を国内調達している。
私も、ブラジルに対して、危機を懸念していますが、デフォルト前夜祭を楽しむつもりはありません。中長期的に日本と同様危機的ではありますが、即デフォルト前夜と軽々しく判断しないほうが、現実的です。ちなみにトルコも即デフォルト必死と言われて、かれこれ6、7年ほどが経過しますが、いまのところ、国債は随時償還日に償還され、利払いも滞っておりません。(トルコの経済的懸念は依然大きいままです。)大損したのは、デフォルト懸念で即売却した人たちでした。最終判断は、個人個人ですが、事態を冷静に判断する材料として読んでいただくと幸いです。