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7月4日の午後、「金融庁の次期長官に、高木祥吉監督局長が昇格」とする一部報道が流れ、金融業界のみならず、これまで金融庁トップ人事に強い関心を払ってきた官邸も騒然となった。官邸中枢スタッフが言う。
「今回の人事に関しては、官邸サイドは全くのノータッチ。小泉純一郎首相も意外感を持って今回の金融庁人事を受け止めている」
それではなぜ、小泉首相は高木局長の昇格に対して意外感を持ったのであろうか。
「そもそも次期金融庁長官には、原口恒和総務企画局長が昇格することがすでに内定していたのです。そしてこの内定人事は、1年前に原口氏が総務企画局長に就任したときから事実上決まっていたと言っていいでしょう。しかし今回の人事でそうした一連のことがすべてひっくり返ってしまったのです」(官邸中枢スタッフ)
このコメントにもある通り、これまで金融庁のトップ人事は、森昭治現長官が退任した後任には原口現総務企画局長が充てられることでほぼ確定していたと見ていいだろう。
少なくとも金融業界はそう見ていたし、最終的に官庁のトップ人事を握る“官邸”サイドもその人事案を了承していたと見て間違いない。
ところがその“人事案”は土壇場でひっくり返ってしまい、次期金融庁長官には高木監督局長が昇格し、原口総務企画局長は退任することとなってしまったのである。
この新人事案は閣議了承を経て7月12日に発令される予定だ。
「そうなると新人事案は、5日(金曜日)もしくは9日(火曜日)の定例閣議に諮られる必要がある。こうしたスケジュールから考えても、まさに急転直下の逆転人事としか言いようがない。異例中の異例だ」(前述の官邸中枢スタッフ)
それでは一体誰が、この新人事案を仕掛けたのであろうか。
「小泉首相がこの一件にかんでない以上、こうしたことができるのは、福田官房長官か柳沢伯夫金融担当相だけです」(前述の官邸中枢スタッフ)
財務省幹部が言う。
「今回の一件は、柳沢金融担当相が仕掛けたと見て間違いないだろう。柳沢金融担当相としては、1年前に財務省から金融庁に転出してきたばかりの原口総務企画局長に不信感を持っていたようだ。原口局長が金融庁長官に昇格することで、金融庁が財務省のコントロール下に置かれる、と考えたのだろう。つまり、柳沢金融担当相は金融庁が財務省の支配下に置かれることを嫌ったのだ。もっとも、金融庁の人事全般は、事実上財務省によって握られていると言っていい。『財金分離』が単なるお題目に過ぎないことは、大蔵OBの柳沢金融担当相なら良く知っているはずだが…。それなのになぜ?」
金融庁幹部が言う。
「原口局長は、金融庁内部および金融庁プロパーからの評判がすこぶる悪かったのです。事なかれ主義、問題先送り主義だということで…」
そうした点で、金融庁の新体制に注目すべきだろう。
特に、高木新長官−五味広文新監督局長(現検査局長)のラインは、今後の金融庁の動向を占う意味で重要だ。
「まさに、旧金融監督庁時代をほうふつさせるような、ゴリゴリの改革派が金融庁の中枢ラインを握った、と見ていいでしょう」(金融庁幹部)
金融庁のトップ人事に関してまさに強行突破を図った柳沢金融担当相の狙いもどうやらそのあたりにありそうだ。
新体制下における金融庁の金融スタイルは、とにかく問題先送りというスタイルに終始した森時代とは一変しそうな気配が濃厚だ。