「金融再生最前線」～金融庁はみずほトラブルを予想していた？[PAXNet] 2002/07/03 17:45:00

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「金融再生最前線」～金融庁はみずほトラブルを予想していた？[PAXNet] 2002/07/03 17:45:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部日時 2002 年 7 月 03 日 19:37:20:

●「虚偽報告に近い」（柳沢担当相）にウソはないが・・・

昨年12月、金融庁はみずほ側からシステム統合時のトラブルが起きる可能性が極めて高いことをすでに知らされていた―。告発にも似た裏情報が、その後もなかなか消えない。燃え残しの煙の様にいつまでもくすぶり続けている。柳沢金融担当相は今回のトラブル発生後、みずほ側から正確な情報が行われていなかったことを明らかにし、「虚偽報告に近い」と噛みついた。
柳沢金融担当相のコメントに、恐らく嘘はないだろう。しかし、どうして大臣に正確な情報が伝わらなかったのか？そこには金融庁内の保身がある。みずほ側からの報告があったのは、昨年の12月。まさに、みずほ内では、みずほコーポレート銀行のシステムが脆弱で、大量の口座振替には耐えられない事が明らかになった頃だ。その場しのぎに、コーポレートで扱う一部をみずほ銀行に振り替えて、事無きを得ようとしていた。この際、みずほ側は口座振替の処理に大きな不安を抱えていたのだ。

●保身に満ちた愚行がトラブルを大きくした

そこでみずほ側は泣く子も黙る金融庁に対し、口座振替を中心に4月1日のシステム統合に際して「小規模ながら」障害が起きる可能性が高いという情報を報告しているという。しかし、この情報がなぜ有効に生かされなかったのか。それは金融庁とみずほ自身のいずれもが影響の大きさを見誤ってしまった。「小規模」、「一部」という言葉に隠されて、本質がまるで見えなくなってしまったのだ、と言い換えてもいい。システムに疎い役員クラスはもちろん、この情報を得た金融庁の担当者も鵜（う）呑みにしたのだ。障害が発生後、金融庁内では、この情報が上がっていた事実すら消され、みずほ側も固く口を閉ざしてしまった。保身に満ちた愚行とすら言えるであろう。みずほのシステム障害は、まさしく起こるべくして起きたのである。

●「もともと無理な計画だった」～メンツだけで押し切ろうとした一本化

今、みずほ内部では、1999年12月に公表したシステム統合計画自体に無理があったという批判が、上層部の間で囁かれている。新たに設立された2つの銀行のシステムを決める際に、はなからリレーコンピューターで接続する「安全策」を採用していれば良かったというのだ。
裏の意味は、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の各システムについて、一本化を急いだことに、最初から無理があったことを認めている。つまり、初めから無理な計画をメンツだけで押し切ろうとした。それを3行が協力して行うならまだしも、3行がバラバラの開発体制のままでは、人も時間もあらゆるものが足りない中で、無理に無理を重ねることになった。みずほの統合計画自体が、イコール虚構だったことがここでも明らかになっている。

●急速にしぼみ始めた“前田体制”～崩壊は意外に早い？

こうした客を蔑ろにした愚行が、また少しずつ明らかになるにつれて、みずほホールディングス<8305>の前田晃伸社長の求心力が急速にしぼみ始めている。彼はこれまで「今回のトラブルは前経営陣の認識の甘さに原因がある」と言い放ってきた。しかし、前田社長はシステム統合の状況を把握できる立場にあったことは、内部の誰の目にも明らかだ。無責任極まりない発言と受け取られているのだ。
旧第一勧業銀行の一部のラインに、テストの遅れなどの悪情報が封印されていたという経緯はあるにしても、起きたことはもはや「社会事件」に等しい。それがこの期に及んでも責任転嫁を繰り返している言動に、内部からは「早く辞めさせろ」という声が急速に高まっている。
みずほグループの現経営陣に、今でも強い影響力を持つ旧第一勧業銀行と日本興業銀行の一部の元首脳陣が、今後前田社長の追い落としに動くことは誰にも否定できない。糸で引かれるままに工藤・斎藤の両頭取は、前田社長を孤立させ、旧富士勢力の駆逐を狙う可能性すらあるかもしれない。前田社長の辞任は意外に早いかもしれない。
（東山　恵）
　
・「金融再生最前線」～みずほ、復活かける“再生4点セット”＜上＞
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200206/11/20020611143010_61.shtml
・「金融再生最前線」～危機は今でも目の前にある～みずほコーポ銀
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200205/29/20020529154014_04.shtml
・「金融再生最前線」～みずほトラブル幕引きで“邪悪な思惑”＜上＞
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200205/09/20020509110015_72.shtml
・「深層・真相」～日銀当座預金残高が伝える“みずほ”と金融危機
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/10/20020410152513_09.shtml
・露呈した金融界の“盲点”～みずほ障害が示すシステム軽視のツケ
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/09/20020409103016_01.shtml
・「金融再生最前線」～大再編に大暗雲・・・みずほのATM障害
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/03/20020403103510_21.shtml

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