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【ワシントン1日=土井達士】景気不振などを受け、連邦政府だけでなく各州州政府の財政悪化が目立っている米国で、一日からたばこに対する税金を大幅に引き上げる州や自治体が相次いでいる。
ニューヨーク市ではすでに四月から実施された州税引き上げに加え、この日から市税が従来の一箱(二十本)八セントから一ドル五〇セントへと十八倍以上引き上げられた結果、小売価格は一箱七ドル(約八百四十円)程度まで上がった。嫌煙運動が激しい一方、先進国では日本と並んで比較的たばこの価格が安かった米国でも、喫煙者には厳しい状況が強まっている。
一日からたばこ税を引き上げたのは、ニューヨーク市以外に、隣接するニュージャージー州や、カンザス、バーモント、イリノイなど計七州。増税の理由として「値上げによって喫煙者が減る効果が期待できる」(ブルームバーグ・ニューヨーク市長)と説明している場合が多い。しかし、実際にはニューヨーク市の場合で年間一億ドル以上の増収を見込むなど、批判が出にくいたばこ増税で財政難をしのごうとの意図が強くみられる。
また、たばこ価格の高騰で、州税などがかからないインターネット通販や先住民居留地、あるいは犯罪組織が絡む「ヤミ」たばこの購入者が増えるとの予測も出ている。
米国では州ごとに税制が異なるうえ、南東部のたばこ産地州ではメーカーが巨額の販売補助金を出していることもあり、ケンタッキー州などの一箱二ドル(約二百四十円)あまりから、ニューヨークの七ドル以上まで、小売価格には大きな差がみられることになった。