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来年4月に予定されているペイオフ(破たん金融機関からの預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息に限る措置)の全面的な凍結解除に対し、与党内で延期論が強まっている。経済は依然として好転していないことから、金融危機の引き金を引く恐れがあると見ているからだ。柳沢金融相ら経済閣僚に対する与党内の不満や内閣改造への思惑も絡んで政府・与党間の綱引きは激しくなりそうだ。
◆□懸念◆
定期預金のペイオフ凍結解除は1年延期された上で今年4月に実施された。普通預金や当座預金については来年4月に凍結解除され、完全実施となる予定だ。
今年4月の実施に伴い、定期預金から普通預金への資金移動が続いている。金融機関の預金残高をみると、昨年3月に比べて都市銀行や地方銀行では増えているのに対し、第二地方銀行や信用金庫、信用組合は逆に減っている。
与党内には「(全面的な)凍結解除を実施すれば、信金、信組などに(預金が減るなどの)しわ寄せが行って大混乱をきたす」(堀内自民党総務会長)との見方が強まっている。
しかも、普通預金は中小企業が決済に使うため、「地域金融機関が万が一破たんした時、地域経済に与える影響はものすごく大きい」(北側公明党政調会長)と、地域経済全体への影響を懸念する声も根強い。
自民党デフレ対策特命委員会(委員長=相沢英之・元金融再生委員長)は、7月中に策定する追加デフレ対策の柱として、凍結解除の延期を盛り込む方針だ。
公明党の神崎代表は26日の記者会見で、「定期預金のペイオフ凍結解除を実施した今年4月以降、金融システムが必ずしも安定していない」として、景気の動向をもうしばらく見て判断すべきだとの考えを示した。保守党の野田党首も完全実施に懸念を示した。
◆対立◆
これに対し政府は、全面的な凍結解除を予定通り実施する構え。17日に策定された第2次デフレ対策の中で、与党側は凍結解除の延期を盛り込むよう強く求めたが、政府は突っぱねた。
小泉首相も27日、凍結解除の延期について「ありません。予定通りです」と否定した。柳沢金融相も「構造改革の一環。日本の金融機関を強くする道だ」と強調している。
政府のこうした姿勢に対し、自民党の麻生政調会長は「財務省や金融庁が『ペイオフの凍結解除を延期したら、(国際的な信用を失って)日本の国債は暴落する』と言うから、言うとおりに実施した。しかし、国債の格付けは下がった」と批判している。
ある与党幹部は「秋以降、ペイオフをどうするかが政治的焦点になる。それは、柳沢を代えるか代えないかと同義だ」と語った。
(6月30日02:11)