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エンロン破綻詐欺やワールドコム破綻そして日本企業の不祥事続発といった状況の根底には、「事業会社の金融会社化」や「事業会社の金融会社感覚化」があると考えている。
ある事業を通じて金を儲けたいから会社を経営するのではなく、手早く大きな金儲けをするために会社を経営するという意識になれば、それが実現できる経営手法に走るのは当然だろう。
大きな儲けを懐に入れたら、ヤバイ会社から身を引く。支えを失ったヤバイ会社は破綻するしかないからである。
手早く儲けるために、ベンチャーキャピタルや投資銀行と組んで、会社を設立してすぐに上場したり、他者を買収して大きくする。
大きく儲けるために、ストックオプションを活用し、会計事務所と組んで、しばらくは不正経理で過大な利益(見せ金)を世間に示し、証券会社がそれを素晴らしいと煽る。
株価は上がり、時価発行で巨額の資金も手に入れられる。それを、報酬やボーナスとして自分たちの懐に入れる。
こんなジョークは長続きしないから、煽りが最高潮に達したところでストックオプションを行使したり、保有株を売却する。
ベンチャーキャピタル・投資銀行・証券会社・会計事務所も、株式売却益や手数料収入で巨大な利益を上げる。
それらの利益は、実情を知らない投資家や従業員(401K)そして資金を融資した銀行の“お布施”が源泉である。
(まともに会社を経営したいと考えている経営者なら、損失が出たら、納税額を減らしたり、過去納税分の還付が受けられる決算書をきちんとつくるはず。融資を受けるために決算を粉飾する企業もあるようだが、利益を出せない会社が利息を支払わなければならないお金を借りてもより酷い状況になるだけで、傷を深くして破綻することになる。これは、ドン詰まってから“詐欺”に転向したケース)
書いたような内容で設立されたり大きくなった会社は、米国を中心にゴマンとあるのだから、エンロンやワールドコム+アルファで済むわけがない。
詐欺を続けるのはたいへんだから、手仕舞いするしかない。
初めから仕組まれた詐欺は、スケジュール通りに手仕舞いされるものである。
そして、無自覚であれ、詐欺師集団を起業家精神の持ち主として称揚してきたメディアは、彼らの詐欺に荷担したのである。
米国も全部がそうだとは思っていないし、日本の起業家たちも詐欺師だとは思っていないが、“詐欺の仕組み”に支えられないまま“空虚な事業”を継続するのは、詐欺以上に大変なことである。
日本の伝統的大手系企業で続いている不祥事も、「事業会社の金融会社感覚化」(利益を増やすことが至上)という価値観の変化が根底にあると思っている。