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BNPパリバ銀行外国為替部の野村雅道部長は27日、最近のドル・円相場の動向と通貨当局の介入姿勢について、「塩川正十郎財務相の自作自演によって円相場が乱高下したが、当局は微妙な発言で上下する市場の性格を再認識したことだろう。今後はさらに円高警戒態勢を強め、1ドル=120円割れの定着を防ぐと思われる」との見方を示した。
野村氏は、5月中旬からドル安が進行する過程において、市場では、「過去の円高による日本経済に与える悪影響へのコンセンサスが政府にあるため、1ドル=125円以下では市場介入が入るはず」との認識が支配的だったため、4月中旬以降、対欧州通貨でドル高修正の動きが強まるなかにおいても、対円でのドル売りは限定的だったと指摘する。
この期待を崩したのが21日の塩川財務相の「われわれの力で市場を支配するわけにはいかない」との発言。市場ではこれを介入放棄と受け止めて円買いに走ったという。一気に円高が強まったため慌てた財務相は、相場の均衡を崩すものには対処すると方針を転換し、24、26日の両日に円売り介入を再開した。前週末の1ドル=123円割れから118円台の間でのドル・円相場の変動について、野村氏は「当局自作自演の円の乱高下」と手厳しい。
野村氏は、「基軸通貨のドルを持つ米国は市場原理をうたうが、輸入規制など市場原理にほど遠い制度が残る日本は、常に輸出超過状態が続くため、市場原理に任せた場合は円高になるのが自然」と言い、有効にお金がまわらないデフレ下の現況では、外債処分や輸出ドライブなどで現金を得る動きが広がるため、実需による円高圧力はさらに強まると指摘する。
このため、規制による円高→デフレによる一段の円高圧力→円高不況によるハードランディングが繰り返され、1ドル=120円割れからさらに一方向に円高が進行した場合は、「日本経済はもはや耐えられない状況になる。当局は執拗に円売り介入を繰り返し、1ドル=120円割れは死守すべき」との見方を示した。