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「米投資系ファンドのメトロポリタンが、経営破綻(はたん)した石川銀行の受け皿候補として正式な形で名乗りを上げてしまったことで、金融庁サイドはこの問題−つまり石川銀行の破綻処理−を、これまでそうしてきたように、密室状態のまま進めていくことが難しくなってしまったといえるだろう。メトロポリタンの動きには、金融庁サイドは内心、苦々しく思っていることは間違いない」
米投資系ファンドの在日代表が、こう言ってみせる。
一昨日、メトロポリタン・モーゲージ証券(以下、メトロポリタン)は預金保険機構に対して石川銀行の買収を申し入れた、と発表した。
このメトロポリタンは米ワシントン州に本拠を置く投資ファンドで、同ファンドが保有する総資産は1200億円を超えている。
発表当日、記者会見に応じたメトロポリタンのマイク・ネコバ太平洋地域代表は「メトロポリタンは1980年代に米整理信託公社(RTC)と協力して銀行界の再生に取り組んだ経験がある。その経験を生かしたい」と述べている。
ここでいう「銀行界の再生に取り組んだ経験」とは、RTCから同公社の持つ不良債権を買い取った実績のことを指す。そして、こうしたメトロポリタンの動きに最も敏感に反応したのは、金融庁だといえよう。
預金保険機構幹部が言う。
「石川銀行に限らず、破綻金融機関の受け皿選定に関する実務責任者は、各破綻金融機関に派遣されている金融整理管財人といえます。そして、少なくとも銀行と名の付くところ、一部の信金、信組には預金保険機構のメンバーが金融整理管財人に派遣されているのが実情です。こうしたことから考えて、表面的には金融庁は金融整理管財人にはノータッチのようにも見えますが、その実態は、受け皿選定に関して大きな影響力を持っているのが実情です。もちろん、石川銀行もその例外ではありません」
そして、石川銀行の受け皿選定に関する金融庁サイドの意向は、「いわゆる、“外資”が受け皿となることは絶対に認められない。あくまでも地元金融機関を軸に受け皿の選定を行え」というものだった、と言っていいだろう。
「実は、石川銀行については、旧東京相和銀行の受け皿となった東京スター銀行の経営母体である米系投資ファンド、ローンスターが、その受け皿候補に内々で名乗りをあげていたのです。ところが、金融庁の強い“意向”を受けた金融整理管財人が、こうしたローンスターの動きを無視したために、結果的に自然消滅の格好となっていたのが実情なのです」(金融庁幹部)
結局、金融整理管財人は、これまでのところ、地元金融機関を軸にする形で受け皿選定作業を進めてきたのである。
石川銀行の受け皿として名前が挙がっている金融機関は、北陸銀行、富山第一銀行、能登信用金庫の3行庫。
「石川銀行にとっては、この3つの金融機関に分割して処理を行うという基本方針に変更はない。メトロポリタンの登場はある意味で非常に迷惑」(金融庁幹部)
とはいえ、メトロポリタンが正式に石川銀行の譲渡を申し入れてきた以上、金融整理管財人−そのバックについている金融庁としては、何らかの対応を迫られることは間違いない。
「金融庁がいったい、どのようなもっともらしい理由をつけて断るのか、その点には要注目だ」(他の外資系ファンド在日責任者)
金融庁がもし対応を誤まれば、日米問題に発展する可能性も十分あると指摘しておくことにする。