現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
東京 6月25日(ブルームバーグ):榊原英資前財務官は25日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュ
ーで、為替相場の先行きについて「全体の大きな流れからすると、米国へのマネーの一極集中が終わり、ド
ル安局面に入った。ドル円相場は当面は円高になるだろうが、日本経済がにっちもさっちも行かなくなり、
再び円安になる可能性がある」との見方を示した。
榊原前財務官は「東アジア危機を契機としたドル資金への回帰、ユーロ発足に伴う悲観論と、欧州企業
による米国企業の買収・合併、それに米国の情報技術(IT)バブルなどにより、95年にはほとんどゼロだ
った米国への資本流入額は2001年に4550億ドルに達した。しかし、そうした米国一極支配は終わりを告げ、
いよいよユーロが第2の基軸通貨としての歩みを始めたという局面に入ってきている」と指摘する。
そのうえで「95年と比べると、ドルは貿易ウエート加重平均で50%も高くなったが、ここから20、30%
下がっても不思議ではない。ユーロは3カ月以内に1ユーロ=1ドルを超えて、1年くらいの間に同1.1ドル
を目指す展開になるだろう」と予想する。
再度の介入の有無がポイント
ユーロの対円相場についても、榊原前財務官は「足元では1ユーロ=117、118円近辺だが、いずれ同
130円を目指すことは間違いない」とみる。ただ、ドル円相場は非常に先行きが読みにくい、と語る。「外
国人投資家の間で、米国に対する熱狂が冷めてきている。一方、日本は足元で何となく3月危機を乗り越
え、循環的に上向きになっているが、恐らくもう一度下向きになるだろう。再び落ちてくる日本経済と、熱
狂が冷めた米国の綱引きになる」−−。
榊原前財務官はそのうえで「ドル円相場は当面、円高になるだろうが、近い将来、日本は経済的にも政
治的にも、恐らくある種の混乱が起こるだろう。そのプロセスは恐らく円安だ」と予想する。
当面の動きについては「1ドル=119−124円とか、118−123円といったレンジだろう。今週、再び介
入するかどうかが1つのポイントだ。(政府・日銀は)これまで防衛的な介入しかしてこなかったが、こう
した介入ではズルズルとトレンドの方向に動いて行く。これまで通り防衛的な介入しかしなければ、再び同
125円を超すことは当面ないだろう」とみる。
さらに「押し上げ介入をすれば、レンジは若干変わってくるだろうが、国際関係上、押し上げ介入をで
きるかどうか。米国、中国、韓国との関係から、できない可能性もかなりある」としている。
東京 日高 正裕 Masahiro Hidaka
http://news.lycos.co.jp/business/story.html?q=25bloombergec665507&cat=10