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会場内は陳謝、陳謝…外は大怒号−。システムの大障害を起こしたみずほフィナンシャルグループの金融持ち株会社、みずほホールディングスの株主総会が25日午前、東京都千代田区の東京国際フォーラムで行われた。会場の内外とも騒然とするなか、議長を務める前田晃伸社長らがシステム障害や巨額赤字について陳謝を繰り返した。株主からは、システム障害での大甘な責任の取り方や高給ぶりについて厳しい質問と批判が相次いだ。
株主総会には昨年の1416人を上回る過去最多の1790人が出席。定刻の午前10時から始まったが、会場周辺は開会前から右翼団体を名乗る男が座り込んだり、労働団体がシュプレヒコールを繰り返したりと、騒然とした雰囲気に包まれた。
総会では冒頭、厳しい表情の株主を前に、前田社長が「社会的インフラともいえる決済システムで障害を起こし、多大な迷惑をおかけしたことをおわびします」と陳謝。役員20人とともに頭を下げた。前田社長はこの後の議案説明の中でも、同じように陳謝を繰り返した。
9760億円の連結最終赤字となった平成14年3月期決算を報告した後、株主から文書で寄せられた質問に首脳が回答する形で、システム障害の原因や役員減俸などの処分、再発防止策を説明した。
開会から30分後には“メーン・イベント”ともいえる出席株主との質疑・応答。「システム障害での責任の取り方をどう思うか」と、前田社長の減給処分など大甘な責任の取り方などを追及する質問が相次いだ。
前田社長は陳謝を繰り返しながら「システムを安定化させ、信頼回復に努めたい」と答えるにとどまった。
的を射ない回答に業を煮やした株主からは「役員は報酬を全額カットすべきだ」、「執行部に変わろうという意識がないなら、即刻退任してほしい」と詰め寄る場面も。前田社長は「不退転の決意で新しいビジネスモデルに取り組みたい」と相変わらずかみ合わない回答に終始した。
質疑では、「お客さま第一」の経営方針を打ち出した経営陣に対し、キャッシュカードの送付に不手際があったことを指摘する株主もいた。
また、前期の役員報酬が総額2億5500万円(取締役12人、監査役6人)、社員の平均年収が約1200万円(39歳6カ月)に上ることが判明。1兆円近い赤字や巨額の不良債権を抱えながら、銀行マンの高給ぶりが続いていることが明らかになった。
総会は正午前に終了。所要時間は1時間56分と前年の2時間14分を下回ったが、株主からは「質問が途中でさえぎられた」との不満の声が上がった。
前田社長らの煮えきらない答弁に、株主の不満はたまるばかり。総会終了後、会場から出てきた男性株主(70)は「旧3行のあつれきがいまでもあるのか、との質問には答えようとしなかった。経営陣は威勢が悪かった」と感想を述べた。
名古屋から仕事を休んで駆けつけたという男性会社員(29)は、「いろんなトラブルがあった割には誠意がなく失望した。お題目を並べて話すが修飾語が多く、先行きに希望が持てる内容ではなかった」と語った。
同社の株主総会は、12年9月の設立以降、臨時を含めて3度目。4月に第一勧業、富士、日本興業の旧3銀行を、個人・中小企業中心のみずほ銀行と大企業中心のみずほコーポレート銀行に統合・再編してからは初めて。
この日は、普通株減配を盛り込んだ利益処分案など3議案を採決。3月末で退任した杉田力之前社長(旧一勧頭取)らへの役員退職慰労金は議案に入っていない。