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合併でペイオフ上限額引上げ−の仰天策
金融庁、苦肉の“特例”検討
柳沢金融担当相
合併すれば、ペイオフの上限額を引き上げます−。金融庁がこんな特例措置を検討中という。寄らば「大樹の陰」とばかりに、信金、信組、第2地銀からの預金流出が続き、来年4月のペイオフ全面解禁に反対の声が出る中の苦肉の策ともいえるが、果たしてもくろみ通り、地域金融機関の再編は進むのか。
ペイオフでは、金融機関が破綻(はたん)した場合、保護額を元本1000万円とその利子までとなり、定期預金に続いて来年4月からは普通預金にも適用される。
25日付の朝日新聞によると、金融庁は合併した金融機関に限り、一定期間、ペイオフによる保護の上限額を2行合併なら2000万円、3行合併なら3000万円に引き上げることで最終調整に入っているという。
来年4月のペイオフ全面解禁に向け、預金者は金融機関の選別を進め、経営基盤の弱い地域金融機関から大手都銀に預金をシフトさせており、この傾向が加速すれば、中小金融機関の経営に壊滅的なダメージを与える恐れもある。
同庁はこれまでにも、地域金融機関の合併・統合などを促している。しかし、金融機関側としては、再編に動くこと自体が預金者から“経営危機に陥っている証拠”とみなされかねず、余計に預金流出を招くというジレンマもあって、身動きがとれない状態となっていた。
特例措置を設けることで、金融機関側が再編に踏み切りやすく、大口預金者の流出を防ぎやすくなるというわけだ。
もっとも、金融界には「負け組の金融機関同士がくっついても、預金の流出傾向に歯止めがかかるとも思えない」(外資系アナリスト)との見方が根強い。
さらに、米国では金融機関合併時の預金保護の猶予措置は合併後から半年間、韓国では1年間と期限が定められている。かりに特例措置で預金流出に対する効果があったとしても、合併した金融機関も特例措置の期間中に経営基盤の抜本的な改善策を取らないと、期限切れとともに結局、流出が始まってしまう恐れがある。
かといって、特例措置が長期化すれば、ペイオフの意味自体を問われかねない。
次第に高まってきたペイオフ再延期論を封じ込めたい金融庁がまいたエサに、金融機関側がとびつくかどうか、注目される。
http://kabu.zakzak.co.jp/news/kiji/2002062502.html