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「武藤敏郎事務次官をはじめとする財務省の主要幹部の留任が取りざたされているが、現時点で官邸は一切ノータッチ。財務省サイドからはその件に関してこれまでのところ何の接触もない。したがって、官邸が主導する形で武藤次官の留任が決まったとする指摘は誤りだ」
官邸中枢スタッフがこう言ってみせる。
去る6月19日、塩川正十郎財務相はこの7月に予定されている財務省の幹部人事に関して、武藤事務次官をはじめとする大部分の主要幹部を留任させる方針を示した。
武藤次官は6月末時点で在任期間が丸2年を超える格好となる。つまり今回、その留任が決定したならば、「異例中の異例」(財務省幹部)とも言える次官在任3年目を迎えることになる。
「旧大蔵省時代も含め、財務省次官を2年を超えて務めたケースは、戦後初めてといえる」(財務省幹部)
そして武藤次官が留任することで、他の主要幹部もそのまま留任となる方向だ。留任が予想される主要幹部は、黒田東彦財務官、林正和主計局長、大武健一郎主税局長、細川興一官房長、藤井秀人総括審議官といった面々だ。
この中で、“ポスト武藤”の最右翼に位置しているのは、林主計局長だ。
「官邸としては、武藤次官がそのまま留任しても、あるいは林主計局長が次官に昇格したとしても、何ら問題ないと考えている。したがって、“武藤留任”が決定したのは、あくまでも財務省サイドの事情でしょう」(前述の官邸中枢スタッフ)
それではなぜ、武藤次官は異例の留任をすることになったのか。
6月19日の記者会見で、塩川財務相はそのあたりの事情についてこう述べている。
「平成15年度予算編成と税制改正は、日本の経済の将来を決めるターニングポイントになり、強い指導力がないと乗り切れない。幹部は改革のために引き続き努力してほしい−」
財務省幹部が言う。
「“武藤留任”が決定されるにあたっての最大のキーパーソンは、やはり何といっても塩川財務相だろう。つまり、塩川財務相の意向が大きく反映されたと考えていい。塩川財務相としては、今年秋から年末にかけて本格化することが予想される税制改革へのシフトを敷くために、武藤氏をしかるべきポジションに付けておきたかったのでしょう」
この“税制改革”に関して言えば、首相官邸サイドも「“シャウプ税制勧告”以来の大改革」(官邸中枢スタッフ)と位置付け、特殊法人改革と並んで“小泉改革”の大きな柱ととらえている。
「小泉首相は、この税制改革については、自民党税調を軸に進めていく意向を持っている。かつて自民党税調会長を務めていた塩川財務相のここへきての動きは、この首相方針と完全に連動しているといっていいだろう」(財務省幹部)
官邸中枢スタッフが言う。
「7月以降の政策マターの話は、財務省との間でまだ何もしていないが、官邸と武藤次官の関係はそもそも極めて良好なだけに、首相の意向は十分に心得ているはず。その武藤次官が留任するというのであれば、税制改革を進めていくにあたって、非常に心強い」 いずれにしても“武藤留任”は、税制改革シフトと見て間違いないだろう。