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急速な円高進行を背景に、自動車、電機など輸出企業の収益圧迫を懸念する声が出ている。トヨタ自動車<7203.T>など自動車各社は今期の想定レートを120―125円に設定しており、現在の円高基調が7―9月期まで続いても、収益には大きな影響はない、との予想が多い。しかし、円が120円台を割り込む状況になれば、為替予約が追いつかず、業績下振れリスクが拡大する可能性も指摘するアナリストも少なくない。
トヨタでは、2002年3月期に徹底したコスト削減を実施、為替が円安に振れたことも追い風となり、売上高などが連結ベースですべて過去最高を更新。営業利益、経常利益はともに1兆円を突破した。このうち為替差益は営業利益ベースで4100億円。トヨタの場合、1円円安に振れると200億円程度の増益が期待できる。他の自動車メーカーも同様で、過去最高の収益更新を続けるホンダ<7267.T>でも100億円、日産自動車<7201.T>では90億円が増益に寄与するという。
トヨタでは、2002年3月期に徹底したコスト削減を実施、為替が円安に振れたことも追い風となり、売上高などが連結ベースですべて過去最高を更新。営業利益、経常利益はともに1兆円を突破した。このうち為替差益は営業利益ベースで4100億円。トヨタの場合、1円円安に振れると200億円程度の増益が期待できる。他の自動車メーカーも同様で、過去最高の収益更新を続けるホンダ
一方、今期は、為替相場が円高方向に振れており、収益圧迫の新たな不安要因になりつつある。為替変動に対応するため、各社は欧米を中心に現地生産を拡大する一方、為替予約を実施してリスクを最小限に食い止めてきた。業界関係者によれば、各社は今年4―6月については130円で予約済み。向こう3カ月にあたる7―9月に120円となった場合でも、今期想定レートの125円に落ち着くと試算できる、としており、現在の1ドル=121円台では、大きな減益にはならないと予想している。
しかし、120円を割った場合は、収益見通しの下方修正を予想する見方もある。ある市場関係者は、「想定レートは125円で組んでいるが、各社とも社内向けには厳しく想定しているため、(現在の為替水準なら)自動車メーカーのファンダメンタルズからすれば十分対応できる」とみる。一方で、「120円を割れると収益性の低いメーカーでは修正も必要となるのではないか」(邦銀系アナリスト)との声も少なくない。「為替予約はせいぜい1―2カ月が限度で、3カ月先の予約は126円台で売れ残っている状況。輸出企業はドルの下落に対応しきれていない」(輸出関係者)との指摘もある。
電機メーカーも同様で、ソニー<6758.T>の場合、今期の想定レートを130円台に設定しており、広報担当者によると、一円の変動で営業利益におよそ80億円の影響が出るという。
エスジー山一アセットマネジメント株式運用部のシニアポートフォリオマネージャー、西山大氏は、製造業各社の今期の想定レートは120円から125円であり、現在の121円台が収益に大きな打撃を与えることはない、とみる。しかし、120円を割り込んだ場合は「危険なゾーンに入る」と予想。国際証券のストラテジスト、桧垣さやか氏も、120円台が続いた場合、電機大手各社の収益見通しが下方修正される可能性がある、と指摘している。