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06/23 15:37 安全、高利回りと注目 ０２年度は１６自治体が発行 内政01
共同
地域住民を対象に販売する新しいタイプの「ミニ市場公募債」発
行の動きが、地方自治体に広がっている。定期預金などのペイオフ
（預金の払戻保証額を限定する措置）解禁を受け、比較的高利回り
で安全な投資先として注目を集め、総務省の二十三日までのまとめ
では、二○○二年度は十六自治体の発行が許可される見通し。
資金調達手段が多様化するほか、住民の行政参加意識を高める効
果があり、総務省も積極的に後押しする方針で、発行する自治体は
さらに増えるとみている。
ミニ公募債は○二年度から総務省が全自治体に発行を許可する個
人向けの地方債。市場公募債はこれまで、東京など大規模な二十八
自治体が百億円単位で発行する場合しか認められず、銀行など機関
投資家が大半を引き受けていた。
群馬県が五月下旬に三十億円分を募集した「愛県債」には、約一
万二千三百人の応募が殺到。希望者の三割足らずしか購入できなか
った。利回りは年０・５４％、五年一括償還が条件で、購入額は一
万円から百万円まで。調達した資金は県立病院の増改築に充てる。
これに先立ち、三月発行した初回の十億円分は銀行窓口で発売し
たが、募集開始から十八分で完売。買えなかった人から苦情が寄せ
られたため、五月分は応募はがきの抽選に変えた。
「二回の募集とも限度額の百万円を購入した人がほとんど。病院
が良くなるなら無利子でも協力したい、とアンケートに答えた人も
いた」（群馬県財政課）
兵庫県が発行した「県民債」（総額五十億円）も五月の募集開始
初日の午前中に売り切れた。調達資金は阪神大震災の教訓を伝える
展示・研究施設の整備に活用する。債券の購入者には施設が定期発
行する冊子を送付。希望者には施設運営などについて提案するモニ
ターになってもらう。
兵庫県資金管理課は人気の理由を、「定期預金より金利が良く、
県発行の債券なので安心という意識があると思う。ペイオフ解禁を
きっかけに関心が高まった」と話す。
○二年度に発行が許可される予定なのは青森（二十億円）、茨城
（二十億―十億円）、岐阜（二十億円）など七県と札幌（二十億円
）、北九州（五億円）など三政令指定都市、群馬県太田市（五億円
）、千葉県流山市（二億円）など六市町。ほかに東京都や高知市も
発行を検討している。
調達した資金の使い道は、青森県が東北新幹線の八戸までの延長
に伴う建設負担金、太田市が公民館建設費などさまざまだが、住民
と密接で資金提供に賛同を得られやすい事業を選ぶ自治体が多い。
総務省は自治体向けの説明会を開くほか小冊子やホームページで
広報し、ミニ公募債の発行を各自治体に働き掛けていく考えだ。
（了） ０２０６２３ １５３６
[2002-06-23-15:37]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。