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(回答先: Re:「円高」ではなく「ドル安」です 投稿者 あっしら 日時 2002 年 6 月 23 日 01:55:50)
一時的な投機的退避行動か、
★それはあり得る。つられてドル売っているインサイダー以外の連中と、中東戦争のとばっちりを防ぐ為にアメリカから資産を逃避する必要があるアラブ系の連中にとっては逃避行動だろう。インサイダーの連中にとっては違う。
なんらかの変化が起きることの前触れか、
★サミット前に、紙くずアメリカドルの世界的な資金流通サイクルが狂うとどうなるかを日本やユーロ諸国に「思い知らせる」ための意図が多分に含まれているといえる。
長期的な傾向なのか、
★それはあり得ない。ドルは腐っても基軸通貨。イギリスが第二次大戦後没落してポンド経済圏を失いドルに取って代わられたような、ドルに代わる力のある通貨が存在していないから。ユーロ圏はしょせんドルの衛星経済圏である。アメリカはいざとなったら戦争を煽ることと、原油・ゴールドその他の資源をドルの担保にすることによってドルの地位を盤石なものにし、アメリカへの資金環流を維持することができる。それに対して、輸出による外貨獲得を米国に依存し、資源も軍事力もない日本にできる行為は限られている。
アメリカは第二次大戦直後は世界最大の債権国であった。なぜなら、第二次大戦によって急激に膨張した生産力と、復員してくる兵隊を失業者にしない為には、焼け野原になった敗戦国(とその占領国)の西側部分にアメリカ製品を輸出する必要があったからである。しかし、敗戦国側にはそのアメリカ製品を買う為のカネがなかった。そこでアメリカがカネのない敗戦国がアメリカ製品を購入できるための流動性を供給することができるようIMF・世界銀行・関税と貿易の一般協定をでっちあげた。
アメリカはIMFや世界銀行を間に挟むことによって、議会の審査を経ずに敗戦国にアメリカ製品購入の為の資金を供給することが可能になった。これは、例えるなら、外資系銀行が消費者金融や商工ファンドを経由して中小企業に融資し、貸し倒れリスクを低減する行為に似ている。
しかし、後にアメリカは貿易黒字国になったのはいいが、これではドルの裏付けとなっているアメリカの金準備が海外に流出するだけだということに気が付いた。
71年のニクソンショック以降時がたつにつれて、アメリカは二つの顔を使い分けるようになったといえよう。すなわち、第三世界の国に対しては、大戦直後の経済復興期に敗戦国に対して採ったような「債権者」としての顔。経済復興を遂げた西側同盟国に対しては世界最大の「債務者」としての顔である。アメリカは世界最大の債務者でありながら、基軸通貨であるドルを持つという状態を続けている。これはちょうど財務省と金融機関の間でグルグル回っている日本の国債流通サイクルを世界規模に拡大したものであるといえる。
そしてアメリカが破産することは、イコール全世界経済が破産することであるという状態を意図的に演出することによって、ドル・米国債の流通は維持されている。