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株式市場は確かに不安定だ。しかし、米経済の回復を心底から疑っているとは思えない。米株式市場は90年代後半の熱狂を引きずり、まだ相当高いレベルにあり、自らの相場水準そのものに疑問を抱いて調整しているのだと思う。市場では、最近のドル安と株安に対して、米国からの資本流出を懸念する声もあるが、米経済は生産性を年率で2・5―3・0%向上させており、欧州や日本に比べ強い成長を示している。このため、巨額の対米資本流入が途切れる心配はいらない。
しかし、米貿易赤字は国内総生産(GDP)の4―5%に達し、放置すれば、いつかドル暴落を引き起こすか、85年のプラザ合意のような国際協定が必要となるだろう。ドル高修正の遅れは、保護貿易主義の温床にもなり、米国と世界経済に非常に有害だ。その意味で、ここ4カ月くらいのドルの緩やかな下落は好ましい。
米経済の見通しが比較的良好な今なら、ドル暴落リスクはない。貿易赤字の規模を今の半分くらい(年間2000億ドル程度)に減るまで緩やかなドル安が続けばいい。ドル安といっても、まだ必要な修正の4分の1から5分の1の水準に過ぎない。ユーロは3年前の導入当初の水準の1ユーロ=1・18ドルまで、円は1ドル=100円まで20―25%上昇すべきだ。(聞き手・ワシントン竹川正記)